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仕事をすれば分からないことだらけで当然
私が主夫になる前は家電メーカーに勤めるエンジニアでした。エンジニアと言っても色々ありますが、私の場合、電気系エンジニア。
主な業務は回路設計です。回路設計とは、家電製品を仕様通りに動作させるように回路を設計することです。
業務内容は回路設計だけでなく、パターン設計や基板の評価、各種試験(安全性や信頼性評価)も担当します。
パターン設計は聞きなれないと言葉だと思いますが、簡単に言えば『回路図通りになるよう基板上に部品を配置し、導線をつなぐこと』です。
この回路設計とパターン設計はCADで行います。基板の評価や各種試験は様々な試験機器を用います。
入社したての頃はCADの使い方や試験機器の操作を覚えることから始まりますが、一回ですべて覚えられるわけではありません。
エンジニアに関わらず、これはどんな職種でも同じですよね。会社の基本的なルールやマニュアルもあるでしょうし、覚えなくてはいけないことが沢山あるでしょうから。
一回教えてもらったくらいでは理解出来ない、マニュアルがあるが理解できない、など仕事をやっていれば分からないことがあって当然です。
いつも「~でしたっけ」と聞いてくる後輩
私が所属していた部署で、分からないことがあるといつも『~でしたっけ』と聞いてくる後輩がいました。
例えばこんな感じで。
ryoさん、回路設計でこの抵抗って必要でしたっけ?
このコンデンサの定数(容量のこと)はこのくらいでしたっけ?
あなたの身の回りにも、こんな風に聞いてくる人がいませんか?
質問された人は「何を理解していないか」を分かっている
一般的に『~でしたっけ』と使うのは、度忘れしたときです。
だから『~でしたっけ』聞いてくる人の心理としては、
しっかり身に付いている知識なんだけど、たまたま思い出せないだけなんです~
なんですよ。本当かどうかはともかくとして。
でもね、質問された人は質問の内容から『何を理解していないか』が分かっているんですよね。
もし『何を理解していないか』が分からない場合は、質問を受けた人も理解が足りていないってことです。
私はあえてこう答える
私はいつも『~でしたっけ』と聞いてくる後輩には、このように答えるようにしていました。
ryoさん、回路設計でこの抵抗って必要でしたっけ?
この抵抗って何のためにあるか知ってる?
大抵は答えが返ってきません。答えたとしても的外れな答え。
コンデンサの定数(容量)はこのくらいでしたっけ?
コンデンサの定数を求める計算やった?
案の定、計算をやっていません。と言うか計算方法を知っていない。
このように聞いてくる人って、何度も何度も同じように聞いてくるんですよね。
私も質問を受けた以上は、できる限り答えたい派ですが、何度も同じ質問は御免です。
だから本当に理解していない部分を分からせて、理解させるような答え方をします。
「~でしたっけ」は失礼だ。知りたいことがあれば直接聞け!
本当に度忘れなら『~でしたっけ』で何も問題はありません。
でも無知をごまかすような聞き方は、質問した人にはバレてしまいますし、何より失礼でしょ。
特にエンジニアの場合、こういった知識の積み重ねがエンジニアの質を高めていくんです。このような質問を繰り返して、その場凌ぎをしても能力は伸びません。
自分が何を理解していて、何を理解していないかを整理して、知りたいことを直接聞かなくてはいけないんです。
先に挙げた例の場合、こんな感じで。
ryoさん、この回路でなぜこの抵抗は必要なんですか?
このコンデンサの定数を求める計算式を教えて下さい!
この方が聞かれた方も、答えやすいでしょ。
自分で言うのもアレですが、私は比較的丁寧に答えてあげるタイプだったので、質問をしてくる後輩が多かったんですよ。
ですので目的が明確になっている質問は答えやすいし、そうでない質問は面倒くさいと感じていました。
ヒマならともかく、忙しい中でやられたらたまりませんしね。
もしあなたが『~でしたっけ』と質問するタイプでしたら、知りたいことを直接聞いたほうが良いですよ。
その方が、質問を受けた人は答えやすいですし、求めている答えが手に入る確率が確実に高まりますから。