この記事の目次
ドリームキラーとは
ドリームキラーとは、他人の夢を壊そうとしたり邪魔をしてくるような人のことです。
夢や目標を達成するために頑張っているとき、
おまえには無理だよ
リスクがあるからやめたほうがいいよ
など、その夢や目標を否定するようなことを言ってきます。
善意あるドリームキラー
ドリームキラーだからといって必ず悪意があるわけではありません。
『失敗して欲しくない』という気持ちでアドバイスを送っているつもりが、結果的にあなたの夢や目標を奪ってしまう場合があるからです。
アドバイスをした人にとっては、あなたのことを思いやっているもつもりですから、悪意などありません。
< 野球での具体例 >
ホームランが打ちたいから毎日素振り100回する!
おまえがホームランなんか打ってもレギュラーになれるわけじゃないんだから、まずは守備練習をしてしっかり守れるようになった方が良いよ!
一見するとまともなアドバイスみ見えますが、論点がずれていますよね?
『ホームランを打ちたい』という目標に対し、アドバイスした人は『レギュラーになるには・・・』という現実論で話しています。
決して相手を陥れようとしている訳ではありませんが、結果的に相手の目標を奪うようなことを言ってしまっています。
悪意あるドリームキラー
悪意あるドリームキラーはあなたの成功を恐れる人です。
あなたが成功して幸せになることに対し嫉妬したり、自分の立場が奪われることを恐れたりすることで、あなたの夢や目標を壊そうとするのです。
< 野球での具体例 >
ホームランが打ちたいから毎日素振り100回する!
俺はホームラン打てるけど素振りなんかしなかったぞ。素振りなんか意味ないからしない方がいいぞ。
相手の技術的な進歩を遅らせることにより、自分の立場(ホームランを打てる打者)まで登ってくるのを防ごうとするんです。
相手を陥れることが目的になっており、悪意を持って相手の目標を奪うのです。
少年野球に蔓延るドリームキラー
どんな世界にもいるドリームキラー。それはスポーツ界も同じであり、少年野球だって例外ではありません。
悪意あるドリームキラーは少ないかもしれませんが、善意あるドリームキラーは多い。
監督・コーチ・親・先輩・同級生は誰でも善意あるドリームキラーになる可能性を秘めています。
例えば、体の小さい子に対し『お前は小さいからピッチャーは無理だ』と言ったり、『野球なんかやっても将来プロに行けるわけじゃないだから、辞めた方がいい』と言ったり。
小さくてもピッチャーをやりたい子もいる。
プロに行けなくても、今、野球を楽しみたい子
そんな子供のささやかな目標さえ奪う大人はいるんです。もちろん、その子のためになると思っているんでしょうが、結果的に子供の夢や目標を奪っているんですよね。
特に親や監督の言葉は、子供にとって重いのです。
【実例】夢を捨てた友人
私が小学6年生のとき実際に体験した話です。少年野球最後の試合を終え、まもなく卒業式という時期。
少年野球の監督と私を含むチームメイト(同級生)4人と食事をすることになりました。もちろん親を通じてですが。
私を含むチームメイト4人はいずれも主力選手で、監督が食事に誘った理由を簡単に言えば『中学校に入っても頑張れよ』という激励です。
監督の言葉
各々、選手として優れているところなどを褒めてくれた監督。
私を含む3人には、
中学校でも野球を続けろよ。そしてレギュラーになって野球部を強くしてくれよ
といった話の内容でした。
最後に、監督がA君の話をしたのですが、それが独特な表現だったんです。
おまえはスポーツ万能だから野球部でなくてもやっていけるぞ
とこんな感じです。
A君はこんな人
ちなみにA君は、このチームでナンバーワン選手でした。それだけでなくスポーツ万能。おまけに勉強もトップで優秀な子だったんです。
私が通っていた小学校は当時としては規模が小さく、学年は100人くらい。部活動の掛け持ちも当然のようにありました。
私も水泳部に籍を置きつつ、陸上部、ミニバス部、金管バンド部と掛け持ちしていましたが、それはA君も同じ。
私はすべての部でA君に勝てなかったし、少年野球でも通算ホームラン数を競う関係でしたが、やはり勝てない存在でした。
そんなスポーツ万能なA君が一番好きなスポーツは間違いなく野球。
A君と私は部活動・少年野球と同じ時間を過ごすことが多かったですし、家も近く、よく遊んでいた関係ですので、彼が熱狂的な野球好きであることをよく知っていました。
A君の心は無残にも引き裂かれた
監督がA君に話したことは、最上級の褒め言葉だと私は思いました。残りの3人は野球しかないが、A君は野球だけじゃない、いろいろなスポーツでも成功できると。
でもA君は監督の言葉をそう捉えなかった・・・
『お前は野球じゃなく他の道に行った方がいい』とA君は感じたのです。その結果、彼は中学校の野球部には入らず水泳部に入りました。
当時は、なぜ野球部に入らなかったのか?なぜあれだけ好きだった野球を続けないのか?私には理解出来ませんでした。
後々、親伝いに聞いた話で私は全てを悟ります。
A君はあの食事会を終えて家に帰った後、泣き崩れたそうです。自分は中学校で野球部に入るべきでないと言われたと・・・
そうです、あの食事会で彼の心は無残にも引き裂かれたんです。
だから、あれほど好きだった野球をあっさり辞めた。
監督の真意は違うところにありましたが、彼には伝わりませんでした。それも最悪な形で。
もちろん監督に悪意がないことは明白ですし、責めることなんてできません。
しかしドリームキラーになってしまった。激励のつもりが皮肉にも。
子供を守るために親がすべきこと
先ほど書いた私の体験は、避けることができない事故のようなものかもしれません。
同様に、どんな人でもドリームキラーから完全に避けることはできません。なぜなら善意あるドリームキラーは親身になってアドバイスしてくれるからです。
親が子供の夢や目標を応援するなら、
・自分がドリームキラーにならない
・子供がドリームキラーにからまらたときの対処
を考える必要があります。
親がドリームキラーにならないためには、見守る・待ってあげることが大切です。
子供が何か目標に向かって頑張っていることは出来るだけバックアップしてあげる。バックアップとは目標達成のお手伝いをすることじゃない。
順調に進めているなら邪魔をしないことが一番。困っていたら相談にのるくらいで十分です。
子供がドリームキラーに絡まれたら、自分(子供)の意見を尊重すべきだと教えてあげる。
ドリームキラーの意見など無視して結構。だってどれが正解か誰にも分からないし。
出来る・出来ないは他人が決めることじゃない。他人はただの傍観者。問題はやるか・やらないのかだけでしょ。
夢破れて目標を達成できなくても、自分で決めた道なら納得もいく。その失敗が後の成功につながるかもしれないし、何を役立てるかも本人次第なんです。
これは教育の本来の姿だと思うんですよね。
子供が夢や目標に向かって走り出した瞬間、親から距離を取り始めているのです。その距離を縮めることは、親のエゴだと思いますし、子供の成長を妨げると思いますけどね。