物で釣る目的
子供の教育において、ご褒美を与えることによってやる気を促す方法は、是非が分かれるのではないでしょうか?
いわゆる、
物で釣る教育
ってやつです。
どちらかと言うと、否定的な意見が多いように思います。
しかし、私は物で釣る『目的』によっては、全然アリだと思っています。
物で釣って良い条件とは?
物で釣って良い場合と、悪い場合と分けて考えてみます。
物で釣って良い場合
・いつもテストで50点しか取れない子供に対し、
次のテストで70点を取ったらおもちゃを買ってあげるよ
と言って、やる気を促す場合。
この場合は、物で釣るのはOKだと考えています。
理由は、今までの能力(学力)では達成できないラインにご褒美があるからです。
ご褒美を得るには能力を向上させなくてはいけません。
出来ないことが、出来るようになるに努力する
なら、物で釣るのはアリだと考えています。
物で釣ってはいけない場合
宿題をしない子供に対し、
宿題をやったらお菓子を買ってあげるよ
と促す場合。
この場合は、物で釣ってはいけないと考えています。
理由は『宿題をやる』という行為に対し、ご褒美をあげようとしているからです。
宿題をやることは、能力を向上させなくても達成できることです。
すべてはプロセスが大事
私が『物で釣るのもOK』と思うのは、言い換えると、
現状の問題点を把握し、改善点を見つけ、実行したとき
です。
表面上は『今まで取れなかった70点を取ったこと』に対し、ご褒美をあげているように見えるかもしれません。
しかし、評価するポイントはそこではありません。
70点を取る努力をし、それが実を結んだこと
評価するのです。
50点しか取れない子が、次のテストで70点を取るには、何かを改善しなくてはいけませんよね?
単純に勉強時間が足りないのか(勉強量)、勉強の仕方が悪いのか(努力の方法)を自分で考えなくてはいけません。
親が手取り足取り勉強させ、70点を取れるように導いては意味がありません。
あくまで、
こういった方法があるよ
とヒントやコツを教えるくらいに留めるべきです。
自分で考えた勉強方法で成果が出れば、子供にとっても自信になるからです。
当然、次のテストは、70点を取ったくらいでは、ご褒美はあげません。
もう70点は取れる勉強方法を体験しているのですから。
次にご褒美をあげるのは80点、その次は90点、最後は100点みたいな感じですね。
そのレベルごとに、待ち受けている課題は違いますから、悩むこともあるでしょう。
でも、そういった課題をひとつひとつ乗り越えていくことが大事だと思っています。
理想と現実
理想は、物で釣らなくても、
自分で課題を認識し、乗り越える努力ができる
ことで間違いありません。
ただ、現実はそうではありません。
年齢が低いほど、そこまで考えられません。
将来のために勉強しろ!
と言っても、子供には伝わりません。
将来のビジョンが明確になっている子供など少数ではないでしょうか?
しかし、現段階において将来へのビジョンが明確でなくても、いつかはビジョンを見定めなくてはいけなくなる時期が来ます。
その時、目標を達成する原動力は『自分の課題は何かを理解し、課題を克服するために必要なことを知り、実行する』ことです。
こういったことは一朝一夕には出来ません。
普段から考えるクセをつける必要があるのです。
そういったことを教え、成功体験や失敗体験を積ませるのが教育の本質です。
そのためには『物で釣る』のも、一つの手段として良いのではないでしょうか。