数ある血圧計の中でも群を抜いて高級感のあるオムロンのHEM-7600T(HCR-7608T2)ですが、唯一の不満点は「一人用」であると感じている人は多いと思います。
「一人用」という意味は「1台の血圧計で二人以上の測定記録をそれぞれのスマホで管理できない」ことを指しているのですが、できることなら1台の血圧計を複数人(夫婦や家族など)で使いたいですよね。
しかしご安心を!
測定記録を管理するアプリ「OMRON connect(オムロンコネクト)」の設定をいじるだけで、HEM-7600T(HCR-7608T2)1台で二人以上の測定記録をそれぞれのスマホで管理する方法があるのです!
この記事ではそのやり方を詳しく解説しています。
この記事の目次
二人以上のスマホで管理する方法
「HEM-7600T(HCR-7608T2)1台で二人以上の測定記録をそれぞれのスマホで管理する」とは、測定記録を測定した人のスマホに正確に送信できる状態を指します。Aさんが測定したのに、Bさんのスマホに測定記録が転送されたら使いものになりませんからね。
ここでは例えとして、「1台の血圧計(HEM-7600T)でAさん、Bさん、Cさんの合計三人がそれぞれのスマホで測定記録を管理する」パターンを例に挙げてご紹介します。
尚、使用するスマホは以下の通りとします。
- Aさん → Android スマホA
- Bさん → Android スマホB
- Cさん → iPhone C
1.概要
ただ単に、3台のスマホと血圧計HEM-7600Tをペアリングした状態で使用した場合、測定記録はどのスマホに転送されるか分かりません。時にはスマホA、またある時はスマホBという感じです。これは、アプリ「OMRON connect」の設定で「自動データ転送」機能がオンになっているからです。
「自動データ転送」機能とはアプリ「OMRON connect」が血圧計HEM-7600Tにデータ転送を定期的に試みる機能のことで、サンプリング周期は1分・10分・1時間・3時間・6時間・12時間の中から選べます。
それぞれのスマホは設定したサンプリング周期で血圧計HEM-7600Tに測定記録を読みに行きますが、最初に読みに行ったスマホのみがデータを受け取れます。記事「【HEM-7600Tレビュー】世界一カッコいい血圧計!スマホアプリでデータ管理・小型・超軽量・楽々収納の最強スペック!【HCR-7608T2】」でも説明しましたが、血圧計HEM-7600Tは本体に100回分の測定記録を保存するメモリー機能を有しており、スマホにデータを転送した瞬間、自動的に本体に記録されたデータが削除される仕様になっているのです。
当然、2番目以降にデータを読み入ったスマホはデータを受け取ることが出来ません(本体にデータが残っていないから)。測定記録を転送できるのはスマホ1台のみであり、その1台は本体に一番最初に読み入ったスマホということになります。そしてそれはサンプリング周期と測定タイミングにより決まり、任意のスマホにデータ転送できないのはこのためなのです。
逆に言えば、「自動データ転送」機能をオフにし、データ転送を手動で行えば任意のスマホにデータを転送できることになります。
以下にその手順を詳しく解説します。
2.すべてのスマホに「OMRON connect(オムロンコネクト)」を入れる
使用する人すべてのスマホに「OMRON connect(オムロンコネクト)」をインストールします。「OMRON connect(オムロンコネクト)」は血圧計HEM-7600Tと測定記録を送受信するために必要なアプリで、iPhoneとAndroidの両方に対応しています。
3.すべてのスマホとHEM-7600Tをペアリングする
すべてのスマホとHEM-7600Tをペアリングします。ここまでは、一人で使用するときと全く同じ手順です。
4.自動データ転送機能をオフにする
「自動データ転送」とは「OMRON connect」が定期的に血圧計HEM-7600Tにデータ転送を試みる機能ですが、これをオフにします。
オフにするやり方は、以下の通り。
5.血圧を測定する
血圧計HEM-7600Tで血圧を測定します。
6.手動でデータを転送する
血圧測定後、手動でデータを転送します。手動データ転送はアプリ側で操作しますが、やり方は2パターンあります。
データ転送が終わると、ホーム画面の「最新値」が更新されます。
データを受け取りたいスマホでこの操作をすれば、自由に測定記録を管理できます♪
7.実演①(AさんのスマホAに転送)
それでは実際に、Androidスマホ2台とiPhone1台の計3台のスマホを用いて実演してみます。AさんとCさんのスマホにはデータが全く無い状態、Bさんのスマホのみデータがある状態にしてあります。
手順2~6を実行し、Aさんのスマホに測定記録を転送してみます。
無事、スマホAに測定記録を転送できました♪
8.実演②(CさんのiPhone Cに転送)
続いてCさんのiPhone Cに測定記録を転送してみます。手順は同じく2~6です。
これも問題なくCさんのiPhone Cに転送できました♪
「自動データ転送」をオフ。その使い勝手は?
「自動データ転送」という言葉の響きから、この機能をオフにすると使い勝手が悪くなると思われる人もいると思います。
ハッキリ言いますが、この機能をオフしても使い勝手が悪くなることはありません!むしろ「自動データ転送」をオフにした方が使い勝手が良くなると感じるくらいです。
と言うのも、どうせ自動データ機能を有効にしていても、測定記録が正しく転送されたか確認しちゃうので、どのみちアプリを開くんですよね。さらに言えば、サンプリング周期が最小1分とは言え、長い時はデータ転送完了まで1分以上待たされることもあります。1分少々と聞くと短時間かのように感じるかもしれませんが、1分少々スマホを見続けるのはぶっちゃけ長い。
であれば、手動でアプリを操作をした方がはるかに早く、そして確実にデータを転送できるのです。
これらのことから、「自動データ転送」をオフにしても使い勝手が悪くことはなく、むしろ使い勝手が良くなるのです。
複数人で使うときはココに注意!
血圧計HEM-7600Tを複数人で使う場合の注意点を説明します。
測定記録をスマホに転送しなかった場合、その測定記録は本体(HEM-7600T)に保存されます(メモリー機能)。本体に保存されるデータはスマホに転送されるまで繰り返し保存され(最大100回分)、スマホに転送した瞬間、全てのデータが一緒に転送されるのです。
例えば、Aさんが血圧を測定後にスマホAにデータを転送しなかった場合、Aさんの測定記録は本体に保存されます。同じく、次に血圧を測定したBさんもスマホBにデータを転送しなかったとすると、Bさんの測定記録も本体に保存されます。最後に測定したCさんはそのデータをiPhone Cに転送したとします。このときCさんの測定結果だけでなく、AさんとBさんの血圧記録も同時にiPhone Cに転送され、本体に保存されていたすべてのデータが削除されます。
こうなるとAさんとBさんは測定記録を再取得することは不可能。スマホ間でデータの再転送などはできません。一方、Cさんは不要データ(AさんとBさんの測定記録)をアプリから削除可能ですので、何とか自分の測定記録は管理できます。
本体であるHEM-7600Tが仕様的に一人用となっているのは、
- 本体内に保存される測定記録の分別が出来ない
- 本体内に保存された測定記録の中から任意のデータを転送できない
と言った本体内における制約があるからなのです。
これらを避けるためには、測定後は必ずデータをスマホに転送し、本体のメモリー機能を使わないことがポイントとなります。
まとめ
この記事では、HEM-7600T(HCR-7608T2)1台で二人以上の測定記録をそれぞれのスマホで管理する方法について解説しました。
やり方は簡単ですし、目立ったデメリットもありません。「一人用」がネックになってHEM-7600T(HCR-7608T2)の購入を諦めた人もいると思いますが、この記事で紹介したアプリの設定および使い方をすれば大丈夫ですのでご安心下さい♪