頭が良い人とは
みなさんの周りには『頭の良い人』はいますか?
そもそも『頭が良い人』とはどのような人でしょうか?
定義は人それぞれ違うかもしれませんが、私はただ単に知識が豊富な人を『頭の良い人』とは思いません。
勉強が出来る人や、博学な人でも頭が良いとは感じません。
私が『頭が良い人だ』と感じるのは、『物事の本質を瞬時に見抜くことが出来る人』です。
思い出に残る『頭の良い人』
物事の本質を瞬時に見抜くことが出来る人はとても少ないです。
私の人生でも、そのような人に出会ったのは数人しかいません。
その中でも、群を抜いて『頭の良い人』がいました。
大学受験の時期に知り合った人ですが、同じ高校ではありませんでした。
共通の知人を通じて、話をするようになりましたが、友人と呼べるほどの関係でもありませんでした。
彼は京都大学希望で、私は地方国立大学志望でしたから、力レベルは相当開いていました。
特に彼は『京大一本、滑り止め無し』でしたので、その執念は凄かったと思います。
お互いに受験勉強を公立図書館でやることが多かったので、顔を合わせることが多かったんです。
たまに、私は数学や物理で解からない問題の解き方を聞きに行っていましたが、その答えが素晴らしいんです。
わずかなやり取りの中で、彼は私の理解していない所を指摘してくれるのですが、その指摘箇所は『解からない問題』ではないんですよね。
本質はそこではなくて、もっと基礎的な部分を理解していないことを見抜くんです。
そして、彼はそれを教えてくれるのです。
だから彼に教えてもらった後は、非常にスッキリするんですよね。
最初は、勉強が出来る人はみんなこういったことが出来ると思っていましたが、違いましたね。
私は、色々な人に解からない問題を聞きに行くことが多かったですが、早稲田や慶応に入った人、旧帝大に入った人に聞いても、必ずしも彼のような答えが返ってくる訳ではありませんでした。
逆に言うと彼が特別だったんです。
彼の学力レベルからすれば『なぜこんな簡単な問題が分からないんだろう』という思いがあったと思いますが、しっかり私のレベルを判断して、私が理解できるように教えてくれるのです。
それを僅かな会話で読み取り、アドバイス出来ることは凄いことなんですよね。
勉強に限らず職場でも、新人や他部署の人、専門知識が薄い人にアドバイスをするときに、どこから教えた方が良いか判断に困るみたいなことありませんか?
そのような場合に、瞬時に適切なアドバイスをすることは案外難しいです。
いくら知識があっても、それを相手が分かるように説明することは難しいんですよね。まず、相手のレベルを知らなくてはいけませんから。
彼は志望した大学、学科に入ったと聞きましたが、お互い大学に入ってからは会っていません。ですので、彼がどこで何をしているのか分かりませんが、きっとその『頭の良さ』を発揮して社会に貢献する人生を歩んでいると思います。