みなさんは場面緘黙症を知っていますか?
私の息子・コウタローが場面緘黙症だと分かったのが幼稚園の年中のとき。
それからコウタローをサポートするため、ライフスタイルを変化させつつ症状改善を模索する日々が続きましたが、コウタローが小学校6年生になるころには学校で発言・発表できるまで改善しました。その後、面接やグループ討論という試験を乗り越え公立中高一貫校に合格。卒業式における「卒業生別れの言葉」も立派に発表し、成長した姿を家族に見せてくれました。
場面緘黙症の発症率は200人に1人程度だと言われており、場面緘黙症で悩んでいる方やその親御さんも多いと思われます。そのような方に少しでも参考になればと思い、場面緘黙症に関することや取り組んできたことなどをご紹介します。
「主張」できないとトラブルに巻き込まれることも
場面緘目児は特定の場所で話すことができませんから、当然「主張」することもできません。
そのため、思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。
この記事では、実際に私の息子・コウタローが小学校で巻き込まれたトラブルを例に挙げ、場面緘目児にありがちなトラブルについてお話したいと思います。
「犯人」にさせられそうになる
それはコウタローが小学校1年の6月におきました。
コウタローの下校を待っていると、担任の先生から電話が。
実は今日、児童玄関で同級生の女の子が転びまして、「コウタロー君が押した!」と主張しているんです。
えっ!という驚きと共に、「コウタローがそのようなことをするはずない!」と私は直感的に思いました。
子供を信じたい親心とかいうレベルではなく、単純に場面緘目児は目立つことを嫌がりますので、悪ふざけで人を押したりすることなどありえないんですよね。
人から受ける干渉に超敏感な人間が、わざわざ人に干渉することなどありえませんから。コウタローは幼稚園生活でもそうでしたし、妹・弟にさえ自ら干渉することは少ない。
ただ、落ち着いて考えてみると
悪ふざけじゃなく、偶然当たって押したように受け取られる可能性はあるな・・・
と思いました。もしコウタローが犯人ならこれしかない。
真実はともかく、主張を譲らない女の子に対し無言で抵抗するコウタロー。普通の子なら「僕じゃないよ!」と主張するところですが、場面緘目児にはそれができないんですよね。
そうこうしているうちに校長がやってきて、女の子とコウタローは校長室に呼ばれることに。
さすがに一方的に責められることは無かったと思いますが、この段階でほぼ「犯人」にされかけていたコウタローは泣き出したようです。
しかし、この局面は一変します。
これらのことを見ていた、他の同級生が揃って
コウタロー君は押してないよ!
コウタロー君はその女の子から離れたところにいたよ!
という証言をしたからです。
結局、犯人にさせられそうになっていたコウタローの無実が認められることになりました。
私もコウタロー君がそんなことをする子では無いと思っていたので、他の子からの証言があって助かりました。
先生の話を聞く限り、私と同じ考えだったようですね。
結果的にコウタローは無実だったわけですが、「場面緘目児はこのようなトラブルに巻き込まれる可能性が高い」と認識させられました。
コウタローにこのトラブルを聞いてみた
先生が電話の終わりに、
ただ、コウタロー君にとって今回の出来事はショックだったかもしれません。一応、お家でも様子を見て下さい。
と言われたので、コウタローが家に帰ってから様子をみることに。
帰宅したコウタローの様子を見ても「若干暗いかな?」と思う程度で、特に落ち込んでいる様子はありませんでした。
ただ、コウタローから真実を聞きたかったので、このトラブルについて聞いてみました。
今日の下校のこと、先生から聞いたよ。コウタローはその女の子を押したの?
押してない!
その答えが聞きたかったので安心しました。もっと言えば、それを主張して欲しかったのが本音。
この辺は難しいですよね。
親としては、コウタローが自分を守れるよう身の潔白を主張して欲しい。でも場面緘目児はそれができない。
そう考えると、今後も同じようなトラブルに巻き込まれる可能性もあると思いました。
正直言うと、少し憂鬱な気持ちになりましたね。
「運が良かった」だけじゃない
このトラブルは学校で起こったことであり、そういった点では「運が良かった」と言えます。
その一方、「運が良かった」だけではなく、地道な環境作りが功を奏した面もあるんです。
そもそもコウタローの場面緘黙症に関して、記事「【話せない】小学校入学前に就学相談を利用しよう。場面緘目児に合った教育を目指すために」でお話したように、教育相談を通じて入学前から学校サイドと密な関係を築いてきました。
この出来事の1ヶ月前(5月)にも、支援会議という名の下に担任の先生・通級の先生・保護者でコウタローの様子や今後の課題について打ち合わせをやっていましたしね。
担任の先生が、「コウタロー君がそんなことをする子では無いと思っていた~」と言ったのも、コウタローを理解しているからこそ言えることです。
さらに、記事「【話せない】場面緘黙児が小学校のクラスで安心できる環境作り。「周知」もひとつの手段です!」で紹介したように、コウタローのことを気にかけてフォローしてくれるお友達が増えていました。
同級生がコウタローの代弁者になってくれたのも、コウタローについて理解してくれる子が多くいたからですしね。
最後に
この記事では、コウタローが小学校で巻き込まれたトラブルを例に挙げ、場面緘目児にありがちなトラブルについてお話ししました。
場面緘目児は主張することができないので、思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。
こればかりは仕方がないことですし、ある程度は覚悟しておくべきかと。
その一方、これらのリスクを完全に排除することはできませんが、少しでもお子さんが過ごしやすい環境を作ることによって、幾分かそのリスクを和らげることができると思いますよ。
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