みなさんは場面緘黙症を知っていますか?
私の息子・コウタローが場面緘黙症だと分かったのが幼稚園の年中のとき。
それからコウタローをサポートするため、ライフスタイルを変化させつつ症状改善を模索する日々が続きましたが、コウタローが小学校6年生になるころには学校で発言・発表できるまで改善しました。その後、面接やグループ討論という試験を乗り越え公立中高一貫校に合格。卒業式における「卒業生別れの言葉」も立派に発表し、成長した姿を家族に見せてくれました。
場面緘黙症の発症率は200人に1人程度だと言われており、場面緘黙症で悩んでいる方やその親御さんも多いと思われます。そのような方に少しでも参考になればと思い、場面緘黙症に関することや取り組んできたことなどをご紹介します。
この記事の目次
場面緘黙症の子供に対する接し方
お子さんが場面緘黙症だと分かったら、
家ではどのような接し方がいいの?
と思いますよね。
家では普通に「おしゃべりする子」ですから、特別な配慮は必要ないような気がします。その一方、外では「おしゃべりできない子」であり、何かしらの配慮が必要な気がします。
何だかよく分からなくなりますよね。
この記事では私の息子・コウタローの例を挙げながら、場面緘黙症の子供に対する接し方について説明したいと思います。
無理にしゃべらせることはNGです!
記事「【話せない】場面緘黙症の症状や特徴まとめ。根本的な原因とは?」でも説明しましたが、場面緘黙症は不安障害の一種です。
安心できない社会場面から身を守る手段として動きが固まり、その結果として話せなくなってしまいます。
ここでポイントなのは、『話さない』のではなく
話せない
ということ。
表面的には「外でお話をしない」ことが課題のように思われますが、心の奥底に潜んでいる社会的場面に対する恐怖を払拭することが本来の課題なのです。
ですので、しゃべらないお子さんに対し無理にしゃべらせることはNGです。
絶対止めましょう!
このポイントを理解できると、場面緘黙症であるお子さんに対する接し方も見えてくるはずです。
家では会話の機会を増やしてあげる
場面緘目児は家の中では普通に話せます。しかしながら外ではほとんど話しませんので、どうしても会話スキルの習得機会が減ってしまいます。
園や学校でお友達や先生と会話をすると自然と会話スキルが磨かれていきますが、場面緘目児はその機会がどうしても減ってしまうのです。
ですので、家ではなるべく会話をする機会を増やしてあげるようにします。
【ポイント1】お子さんの気持ちを引き出す話題を!
家での会話は何気ないもので構いませんが、できればお子さんの気持ちを引き出す会話が良いです。
と言うのも、場面緘目児は社会的場面に対し脅威を感じますので、自分の意見を述べることが苦手だからです。
場面緘黙症の症状が徐々に改善されていく過程を見ると分かりますが、国語の音読など決められたことをしゃべることはできても、自分の考えを発表することがなかなかできないことがあります。
これは社会に対し自分がどう受け入れられるのか怖いからなんですよね。
だからこそ、『自分の意見を自由に言ってもいいんだ』という経験を少しでも積ませましょう。
テレビを見ているときや、ゲームをやっているときでも構いません。
- ドラえもんが目の前にいたら、どんな道具を出して欲しい?
- マリオ(ゲーム)のどういうところが楽しいの?
などなど。
【ポイント2】家で会話しやすい雰囲気を作る
家の中ではお子さんが会話しやすい雰囲気を作ることが大切です。
家事や下の子の世話などで忙しいときなど、
今忙しいの!後にして!
となる気持ちも分かりますが、お子さんはそのようなあなたを見ています。そうすると会話そのものが嫌いになりかねません。
また、お子さんが小さいと会話スキルや語彙力がないため『え~とね、え~とね・・・』と会話がスピーディーに進まず、
何!ちゃんと言いなさい!
と言いがちですが、これも会話が嫌いになってしまいます。
そうならないためにも、できるだけ親御さんが余裕を持ってお子さんと会話できる状態を作ることが大切です。
ちなみに我が家はコウタローの他に長女・二男と3人の子供がいますが、夕食の時間になるとみんな会話が弾みます。
子供達は幼稚園や学校のことをお話してくれるのですが、みんなが一斉にしゃべることがあるので『先に話始めた人が優先、最後まで話を聞くこと』としています。
コウタローが話し始めると、
う~んとねぇ、え~とねぇ・・・
と会話が進まないことがよくありました。
そうすると妹や弟が『お兄ちゃん、早く~』『ぼくの番ね!』と急かすのですが、必ず最後までコウタローの話を聞くようにしましたし、妹や弟にもそう説明してきました。
外では守りながら「待つ」ことを重視する
場面緘目児は家では話せますが外では話せませんので、接し方も家と外では異なります。
お子さんが小さい場合、外では守ることが中心になります。
例えば、近所の人に「こんにちは」と挨拶された場合など、親御さんが一緒になって「こんにちは」と挨拶することによって、社会とお子さんの緩衝材になることが多くなります。
そうしないと、
あの子は挨拶もできないのかねぇ・・・
と思われるかもしませんからね。
しかし、そのような気持ちになることは分かりますが、緩衝材になるだけではお子さんは成長しません。
少し慣れてきたと感じたら、少し『待つ』ことをやってみましょう!
もしかしたらお子さんが挨拶するかもしれません。
まとめ
この記事では場面緘黙症の子供に対する接し方について説明しました。
- 家ではお子さんとの会話をする機会を増やす
- 会話はお子さんの気持ちを引き出すものを!
- お子さんが会話しやすい雰囲気を作る
- 外では親御さんが緩衝材になってあげる
- 少し慣れてきたと感じたら、話すかどうか待ってあげる
そして最も大切なことは、場面緘目児は「話さない」のではなく、『話せない』ということです。
近所の人に挨拶されたとき、何も言えず
ちゃんと挨拶しなさい!
と親御さんが突き放すことは絶対止めてください。
いくら強要しても話せないものは話せません!場面緘目児にとって固まることは本能的に身を守る行為だからです。
親御さんだけは味方になってあげるべきで、たまに会話のチャレンジをしてみる・・・
それこそがスモールステップであり、その繰り返しが必ずお子さんを成長させてくれますから。
\無料体験セットプレゼント/
【こどもちゃれんじ】
\無料体験教材はこちら/
【進研ゼミ小学講座】
\無料資料請求はこちら/
Z会の通信教育 資料請求
\無料体験キット申込はこちら/
【無料体験キット申込】小学生向け作文通信教育講座「ブンブンどりむ」