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【話せない】場面緘黙症の小学生に通級のススメ。家庭・学校・通級の連携こそ克服への道!

場面緘黙
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みなさんは場面緘黙症を知っていますか?

場面緘黙症とは、家では普通に話すことが出来るのに、ある特定の場面や場所、状況では話すことが出来なくなる症状のこと

私の息子・コウタローが場面緘黙症だと分かったのが幼稚園の年中のとき。

それからコウタローをサポートするため、ライフスタイルを変化させつつ症状改善を模索する日々が続きましたが、コウタローが小学校6年生になるころには学校で発言・発表できるまで改善しました。その後、面接やグループ討論という試験を乗り越え公立中高一貫校に合格。卒業式における「卒業生別れの言葉」も立派に発表し、成長した姿を家族に見せてくれました。

場面緘黙症の発症率は200人に1人程度だと言われており、場面緘黙症で悩んでいる方やその親御さんも多いと思われます。そのような方に少しでも参考になればと思い、場面緘黙症に関することや取り組んできたことなどをご紹介します。

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場面緘黙症の小学生に通級のススメ

あなたのお子さんが場面緘黙症で、かつ小学生(または中学生)の場合は通級(通級指導教室)の利用をおすすめいたします。

通級を利用すれば、普通級に通いながら症状に合わせた個別支援をうけることができるからです

とは言え、いきなり通級を薦められても、

通級って何?具体的にどんなメリットがあるの?活動内容は?

と心配される方も多いと思います。

そこで、この記事では私の息子・コウタローが実際に通級に通っていた例を挙げて、通級のメリット・デメリットおよび通級の活動内容をご紹介したいと思います。

 

通級指導教室とは?

ここでは通級(通級指導教室)について説明します。

通級は普通級に在籍する

通級指導教室とは?

通級指導教室とは、小中学校に通う比較的障がいの程度が軽い子供が、普通級に在籍しながらその子の障がいに合った個別の指導を受けるための教室のこと。

基本的に小学校に通う子供は、以下のいずれかの学校またはクラスに入ることになります。

  • 普通級
  • 普通級+通級
  • 特別支援学級
  • 特別支援学校

通級に通うと言っても普通級に在籍しますので、その点では利用しやすいと思います。

通級日(通級の授業がある日)はお子さんによって変わりますが、月2回から月4回(週1回)くらいが多いです。

低学年・中学年の場合は普通級の授業を受け終わった後に通級に通いますが、高学年になると授業のコマ数が増えますので、放課後に通級を受ける時間が取れない場合があります。

そんなときは、比較的コマ数の多い国語の時間を通級の時間に当てたりします。

コウタローは月2回または週1回の頻度で通っていました。小学1年~4年は放課後の通級、5年~6年は国語の授業1コマ分を通級の時間に当てていました。

通級の種類

通級は幅広い障がいに対応するため、いくつかの種類があります。

名称や種類の数は各自治体で異なりますが、基本的に

  • ことばの教室(言語障害等)
  • きこえの教室(聴覚障害等)
  • まなびの教室(発達障害等)

に分けられます。

場面緘黙症の場合、「ことばの教室」「まなびの教室」のどちらかになることがでしょう。また、お子さんの症状に合わせて個別指導・グループ指導に分けられます。

緘黙症状が重い場合は個別指導、徐々に症状が軽くにつれてグループ指導、といった感じで途中で移行することもあります。

コウタローは小学1年~3年途中まで「ことばの教室」、3年途中から「まなびの教室」に移りました(その理由は後述)。また、それに伴い個別指導からグループ活動に変わりました。

 

自校通級と他校通級

通級は自校通級と他校通級に分けられます。

  • 自校通級 → 子供が通う学校にある通級
  • 他校通級 → 子供が通っていない学校にある通級

これについては自校通級の方がメリットが多いです。

通級が同じ学校内にあると、親が子供を通級に送る必要が無いからです。子供が低学年だと帰り時間が遅くなりますので、さすがに迎えにいく必要はありますがね。

また、通級の先生と担任の先生のコミュニケーションが密になり易く、フォロー体制がより強くなります。

 

他校通級はこれらの点がそのままデメリットになってしまいます。

メリットとしては、親の送迎が必要になることにより、通級の先生と直接お話できる機会が増えることです。

通級の活動は連絡ノートを通じて、通級の先生・担任の先生・家庭が情報を共有できるようになっていますが、些細なことを通級の先生に質問したい場合には適しません。

そんなとき、通級の先生と直接お話できる機会が多いと、気軽に相談できますからね。

まぁ、自校通級・他校通級を任意に選べるわけではなく、住んでいる場所により自動的に決まりますので、あまり気にしても仕方がないんですけどね。

コウタローの場合、「ことばの教室」が他校通級、「まなびの教室」が自校通級でした。他校通級の場合、通級中の時間が中途半端なのが嫌でした。保護者が待つ部屋があるのですが、ただ時間が過ぎていくだけですからね。もちろん外出しても良いのですが、そんなに長い時間ではありませんので、たいしたことはできません。そのため、個人的には自校通級の方が良かったです。

 

どうすれば通級を利用できるの?

小学校入学時点から通級を利用する場合、入学前に行われる就学相談に参加することからはじまります。

ここで面談・検査等が行われ、その後の事務手続きを経た後で通級を利用することができます。

就学相談のことや通級を利用するまでの流れは記事「【話せない】小学校入学前に就学相談を利用しよう。場面緘目児に合った教育を目指すために」で詳しく説明していますので、そちらをご覧下さい。

また、入学後でも通級を利用できますので、その場合は担任の先生に相談して下さい。

通級の活動内容

ここでは通級の活動内容についてお話します。

場面緘目児と言っても症状は様々ですから、通級での活動内容もお子さんの症状により異なります。

したがって、ここではコウタローの場合を例に挙げて説明したいと思います。

ことばの教室(小1~小3途中)

まず、ことばの教室を選んだ理由から説明します。

記事「【話せない】小学校入学前に就学相談を利用しよう。場面緘目児に合った教育を目指すために」に書いたとおり、就学相談の流れでWISC-Ⅳ(ウィスクフォー)という知能検査を受けました。

WISC-Ⅳ(ウィスクフォー)とは?

WISC-Ⅳ(ウィスクフォー)とは5歳0ヶ月~16歳11ヶ月の児童を対象とした知能検査のひとつ。全体的な知的能力や記憶・処理に関する能力を測ることができるので、発達障害の診断やサポートに活用されている。

この検査の結果、全般的な知的能力は同年代の子に比べて平均的だったのですが、言語性の数値が低く、得意・苦手の範疇より低い数値でした。

まぁ、コウタローは1歳半から幼稚園に通っていましたが、ほとんど園で会話をしたことがありませんから仕方がないと思います。

場面緘黙症の場合は「まなびの教室」が多いのですが、

まずは語彙力を高め、コウタローが話したくなったときに会話する基礎力をつける

という目的で「ことばの教室」を選んだのです。

そして、ある程度の能力が身についたら「まなびの教室」に変更するつもりでした。

つまり、最初から「ことばの教室」から「まなびの教室」へ移動することは既定路線であり、あとはコウタローの成長を見てその時期を判断するだけだったのです。

 

ことばの教室は個別指導で、主に「語彙力をつける」「文を構成できるようになる」ことを目的に指導して頂きました。

初期の授業は、遊び道具や体を使って楽しく単語や会話を覚えることが中心。

コウタローの成長に合わせて、

  • 通級がある学校のある先生から鍵をもらってくる
  • 学校の電話を使って私(父親)の携帯電話に電話をしてみる
  • コンビニに行って買い物をする(店員さんにお礼を言う)

など、面白い試みもありました。

自然な形で単語や文章に触れて慣れる訓練を続けた結果、語彙力もつき会話もスムーズになったと思います。

2年生の終りに、親・担任の先生・ことばの教室の先生・まなびの教室の先生が集まり、まなびの教室への移行時期を話し合いました。

コウタローの能力的から判断し、小学3年の4月から「なまびの教室」に移行しても大丈夫だというのが共通認識でした。

ただ、3年生になるとクラス替えがあり、4月からだと心理的負荷が大きくなります。

このことを考慮した結果、小学3年の夏過ぎにまなびの教室に移動することが決定しました。

まなびの教室(小3途中~6年卒業まで)

まなびの教室はグループ指導で、3人~4人で行われていました。

色々なタイプの子供が通っていますが、場面緘黙症はコウタローだけでしたね。

コウタローを除くメンバーは注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子と様々でしたが、何だかんだいって上手くいっていました。

活動内容はスピーチの訓練が主なものです。

  • 誰かがあることについてスピーチし、他のメンバーがそのスピーチを聞く
  • スピーチを聞いた他のメンバーは、そのスピーチに対する感想や質問をする

こんな感じです。

もちろん毎回同じ内容ではなく、クイズ形式にすることもありました。

これはまなびの教室に限ったことではありませんが、子供達に「勉強している・訓練をしている」と思わせず、楽しく活動を行えるよう工夫がされています。

そのため、通級を嫌がることはありませんでしたね。

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通級のメリット・デメリット

通級のメリットとデメリットを説明します。

メリット

通級のメリットは大きく分けて2つあります。

子供にあった指導を受けられること

これまで説明してきたように、子供にあった指導を受けられることがメリットの1つ目です。

細かい話をすると、前期・後期と分けて指導計画が立てられ、その記録も作成されます。その際、子供が抱えている課題も明確になりますし、それが指導内容に反映されます。

そうやってスモールステップを積み重ねることにより、徐々に場面緘黙を克服できるように仕向けるのです。

家庭・学校・通級の連携でより協力な支援体制となる

図1 家庭・通級・学校のつながり

通級は単独で家庭と関わるわけではありません。

図1のように、通級は家庭からみて学校とのコーディネート役にもなるのです。

学校によっては通級のコーディネーターがいて、「通級 → 在籍する学校のコーディネーター → 担任の先生」という場合もありますが、ここでは話が複雑になるのでコーディネーターがいない場合についてお話します。

通級の先生は定期的に子供の在籍校に訪問し、授業を見学したり先生と懇談します。そうやって場面緘目児の症状をチェックします。

家庭と学校とのやり取りだけだと、どうしても意思疎通が上手くいかないこともあります。そんなとき通級の先生が中に入ることで、上手く回るようになります。

担任の先生にもメリットがあり、クラスの授業を進めるに当たって場面緘目児に対してどう接するべきか助言を求めることもできますしね。

また、担任の先生が場面緘目症に対して理解が少ない場合、通級の先生が担任の先生に対し指導方法を教えることもあります。

少し悪い言い方をすれば、家庭・学校・通級が連携することはお互いが監視しあっている状況であるとも言え、場面緘黙症克服に向けて手を抜けない状況が作り出せます。

デメリット

場面緘黙症のお子さんにとってデメリットは全くありません。

親御さんの場合は、通級日はある程度の時間を拘束されますので、それが唯一のデメリットです。

とは言え、通級側もできる限り配慮して時間を割り当ててくれますから、お仕事をやっている方でも全然利用可能だと思います。

 

まとめ

この記事では私の息子・コウタローが実際に通級に通っていた例を挙げつつ、通級のメリット・デメリットおよび通級の活動内容について説明しました。

私はコウタローが学校で話せるようになったのは通級のおかげだと思っていますし、通級無しではどうなっていたか分かりません。

スモールステップを積み重ねて徐々に自信を付けさせようとしても、家庭では限界があります。

通級ではそれが出来ますし、確実にお子さんの力になることでしょう。

これから小学校に入学する場面緘黙症のお子さんや、今小学校に通っている場面緘黙症のお子さんであれば、是非通級を利用すべきだと思いますよ。

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