みなさんは場面緘黙症を知っていますか?
私の息子・コウタローが場面緘黙症だと分かったのが幼稚園の年中のとき。
それからコウタローをサポートするため、ライフスタイルを変化させつつ症状改善を模索する日々が続きましたが、コウタローが小学校6年生になるころには学校で発言・発表できるまで改善しました。その後、面接やグループ討論という試験を乗り越え公立中高一貫校に合格。卒業式における「卒業生別れの言葉」も立派に発表し、成長した姿を家族に見せてくれました。
場面緘黙症の発症率は200人に1人程度だと言われており、場面緘黙症で悩んでいる方やその親御さんも多いと思われます。そのような方に少しでも参考になればと思い、場面緘黙症に関することや取り組んできたことなどをご紹介します。
家では気付きにくい「場面緘黙児」
場面緘黙児は外(園や学校)では話せないものの、家では自由に話せます。それゆえ、家の中で『場面緘目児症かも?』と気付くことは難しいです。
ほとんど場合、園や学校の先生に指摘されることで気付くはずです。
とは言え、あなたのお子さんが場面緘黙症だと分かっても
これからどうしたらいいの?
となると思いますし、それは我が家も同じでした。
でも大丈夫。そのようなお子さんをフォローしてくれる施設が各自治体にありますから。そのことについては記事の後半で説明します。
まずは場面緘黙症のことを理解することが大切です。
場面緘黙症は後天的な要因(新しい環境に適応する際のストレス・ショッキングな出来事)でなることは非常に稀であり、そのほとんどが先天的に持つ気質が要因だとされています。
このことから小学校まで見落とされる可能性は低く、保育園や幼稚園の先生に指摘される場合が多いと思います。
ただし『話せない=場面緘黙症』とは限らず、病気や障がいを疑う必要もあります(場面緘黙症は症状であって病気ではない)。
とは言え、場面緘黙症は特徴がいくつかあり、観察すれば専門家でなくてもある程度判断可能です。
場面緘黙児の特徴
場面緘黙症は特徴がいくつかあります。ただし以下の項目を全て満たすわけではなく、これらのいずれかまたは複数を兼ねる場合に場面緘黙症が疑われます。
- 家では普通に話せるのに、特定の場面・場所・状況で話せない
- 園や学校では全く話せない
- 2~3人の子を小さな声で話せるのに、それ以上になると話せない
- 園や学校のトイレに行きにくい。給食を食べられない。着替えが出来ない
- 動作が鈍くすばやく応答できない
- 無表情(表情が硬い)
- 他者に自分から働きかけることが難しい
- 感覚過敏・分離不安・完全主義・強迫傾向を持つ
- 家庭では「騒がしい」「怒りっぽい」など自己主張的
- 体が思うように動かせない(緘動=かんどう)
私の息子・コウタローの場面緘黙症を疑ったのは年中のときです。
運動会を目前にしたある日、幼稚園の先生から、
コウタローくんが運動会のダンスで体を動かせないんです。このままだと本番は補助を付けないといけないかもしれません。
と告げられたとこがきっかけでした。
それから園での様子を先生から細かく聞いたり、参観日の様子をじっくり観察した結果、コウタローの症状は以下のようなものでした。
これらの症状、とりわけ『話せない』『緘動(体を思うように動かせない)』は家の中では全く問題ありませんでしたので、病気や障がいを疑う理由に乏しく、場面緘黙症に間違いないと確信しました。
セルフジャッジで大丈夫かしら・・・
と心配であれば、児童心療内科(精神科)で診断を受けることも可能です。
まず相談すべきところはどこ?
あなたのお子さんが場面緘黙症と分かっても、最初は何をどうすればよいのか分かりませんよね。
お子さんが園児であれば、療育センターを利用することをおすすめします。
ちなみに我が家は、コウタローが幼稚園の年長のときに療育を開始しました。
療育センターというと仰々しく感じるかもしれませんが、今通っている保育園・幼稚園はそのままで、保育後にちょっとした習い事感覚で通うことができます。
療育センターに通うまでの流れは以下のようになります。
- 保育園や幼稚園、または療育センターから相談申込書をもらう
- 申込書を提出
- 療育センターから連絡がきて(封筒、電話など)、相談日を決定
- 相談(お子さんの症状や心配なことを伝える)
- お子さんの診療、各種評価
- 療育方針の検討・プラン提示
- 療育センターから提示された療育プランの選択(集団療育、個別療育、曜日時間など)
- 療育スタート
細部は各自治体の療育センターによって違うかもしれませんが、大体このような流れになるでしょう。
診療等を受けますので、この時点でお子さんの場面緘黙症がほぼ認定されるわけですが、経験者の立場から言わせてもらうと、原因と対策が明確になることで先行き不安な気持ちは若干和らぎます。
あと費用については、恐らくどの自治体の療育センターもほとんどかからないと思いますが、かかったとしても大きな負担にはならないはずです(ちなみにコウタローの場合は月1~2回通い負担金は0円)。
そして、療育の一番大きなメリットはお子さんの症状に合わせた個別支援が受けられることです。
コウタローの場合はこんな感じでした。
- 3人のグループ活動
- 場面緘黙症はコウタローのみ(他の子は吃音・ADHD)
- 通うペースは月1~2回
- 活動時間は14:30~15:30の1時間
- 療育日は幼稚園に迎えに行く必要あり
小さな社会的場面に対し『脅威ではない』と経験させることができました。これを療育以外でやろうとしても難しいですからね。
それに対しデメリットはほとんどありません。
私の場合、園にお迎えに行かなくてはいけない(時間的に間に合わないため)くらいでしたが、我が子のことを考えればたいしたデメリットではありません。
中には『療育に通っていることを知られたくない』という方もいますが、療育センター側はそのことを周知しており、個人情報の取り扱いは厳密に行っています。
このように療育センターは場面緘黙症に悩む方々にとって必ず力になってくれますし、経験者の立場からぜひ利用すべきだと思います。
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ここでは便宜上「先天的」「後天的」という表現を用いていますが、あくまで気質の話です。人の気質が将来変わるかどうかは別にして、人の行動は気質だけで決まるものではなく経験や知識も重要なファクターになります。
場面緘目児は社会的場面に対し脅威を感じやすく、その脅威から身を守る手段として動きが固まり、結果として話せなくなります。逆に言えば、「社会的場面は怖くない」という経験や知識を得ることで行動が変わる(話せるようになる)可能性は十分あるのです。