みなさんは場面緘黙症を知っていますか?
私の息子・コウタローが場面緘黙症だと分かったのが幼稚園の年中のとき。
それからコウタローをサポートするため、ライフスタイルを変化させつつ症状改善を模索する日々が続きましたが、コウタローが小学校6年生になるころには学校で発言・発表できるまで改善しました。その後、面接やグループ討論という試験を乗り越え公立中高一貫校に合格。卒業式における「卒業生別れの言葉」も立派に発表し、成長した姿を家族に見せてくれました。
場面緘黙症の発症率は200人に1人程度だと言われており、場面緘黙症で悩んでいる方やその親御さんも多いと思われます。そのような方に少しでも参考になればと思い、場面緘黙症に関することや取り組んできたことなどをご紹介します。
場面緘黙症の園児に療育のススメ
あなたのお子さんが場面緘黙症、または場面緘黙症を疑われる場合は療育(療育センターの利用)をおすすめいたします。
療育の一番大きなメリットは、お子さんの症状に合わせた個別支援が受けられることです。
とは言え、いきなり療育センターを薦められても、
具体的にどんな活動をしたり、どんな支援を受けられるの?
と心配される方も多いと思います。
そこで、この記事では私の息子・コウタローが実際に療育センターに通っていた例を挙げて、療育センターで受けられる支援内容や活動内容をご紹介したいと思います。
【実例】療育センターの支援内容
私の息子・コウタローは幼稚園の年長のときに療育を開始しましたが、そのときの支援内容を紹介します。
- 3人のグループ活動
- 場面緘黙症はコウタローのみ(他の子は吃音・ADHD)
- 通うペースは月1~2回
- 活動時間は14:30~15:30の1時間
- 療育日は幼稚園に迎えに行く必要あり
3人のグループ活動でしたが、それぞれの子供が抱える症状は違いますので、子供1人につき1人の先生が担当してくれました。
そして個別に支援計画および指導目標・指導方針が前期・後期ごとに立て、グループ活動に反映されます。
コウタローの支援内容は以下の通りです。
- 自然な遊びの中でリラックスし、楽に友達やスタッフと関われるように支援する
- 児の良さ、児なりの表現を見逃さずその都度認めることで自信につなげいく
これは療育センターが一方的に決めるわけでなく、療育を開始するにあたり保護者から受けた相談内容を反映させて決定されます。
実際、個別支援計画書には支援内容と共に、保護者からの希望も記載されていましたからね。
【実例】療育日に行うグループ活動の内容
コウタローが療育日に行っていたグループ活動の内容は以下のような流れでした。
- 自由遊び(親子)
- はじまりの会
- 活動1
- 活動2
- 終わりの会
部屋の広さは子供が走り回れるくらいあり、トランポリンやボール、知恵玩具、本なども置いてあるので、自由遊びには困りません。
メインとなるのが活動1・活動2ですが、この内容はその時々で変わります。
例えば、ボール運動のように見えて『友達にボールを渡すとき声がけする』とか、ジェスチャーゲームのように見えて『言語以外の表現で自分の意思を伝える練習』だったり。
一貫して言えることは言葉を話すことを直接的に求めるのではなく、体を動かしながらリラックスした状態で友達と触れあい、小さな社会的場面を経験させたうえで、『脅威ではない』という成功体験を積むことが目的となっていることです。
全体の流れを順番に説明すると、自由遊びと始まりの会は親子で参加し、その後は担当の先生が、
お父さん、お母さんは別の先生とおはなしがあるから、ちょっとお部屋からいなくなるね~♪
と子供達に説明し、我々保護者は退出して別の部屋に移動します。
実は移動先の部屋は子供達が活動している部屋の隣でして、マジックミラーを通して子供達の様子が確認できるのです。
この設備は良いアイデアだと思いましたね。やっぱり親がいないときの様子って気になりますからね。
メインとなる活動1、活動2を終えると、保護者が子供達が活動している部屋に戻りかえりの会に一緒に参加し終了となります。
担当の先生から今日の活動内容が記してあるファイルを受け取り、活動の様子などを聞いて帰ります。
療育のメリット
療育にはメリットが沢山ありますが、経験者の立場から説明したいと思います。
まずは子供について。
子供の症状に合わせた個別支援が受けれらることが一番大きなメリットです。
コウタローの場合、小さな社会的場面に対し『脅威ではない』と経験させることができました。これを療育以外でやろうとしても難しいですからね。
ちなみにコウタローの場合、従兄弟や親戚とは普段通り話せましたし、通っている園が違う近所の友達と2人の場合なら話せました。
しかしそれ以上、かつ幼稚園のクラス未満の社会的場面を自分で作ろうとしても難しく、療育のグループ活動は良い経験になると同時に、どのくらいの社会的場面が脅威と感じるのか知ることができます。
次に親について。
やはり何と言っても原因と対策の方向性が明確になることが大きいです。
私自身、コウタローが場面緘黙症で間違いないと思っていましたが、第三者による診断を受けたわけではなかったので、
- もしかしたら違うかも・・・
- 何か別の要因もあるのでは・・・
という気持ちが僅かにありました。
もちろん療育センターで確定診断が行われるわけではありません。しかし、第三者それも専門家の意見を聞いた上で『場面緘黙症』と想定されることは、対策の方向性が明確化されますので、もやもやした気持ちが和らぎます。
そして、もう一つのメリットが相談できる相手になってもられることです。
現実的に周囲の人に相談しづらい内容ですし、もし説明しても、
大丈夫。そのうち話すようになるから~
と言われることが圧倒的に多いですからね。実際、場面緘黙症のことを知っている人は少ないですから、相談されても答えようがないでしょうし。
そういった意味でも、相談相手がいるだけでも気が楽になるものです。
コウタローは年長から療育をはじめましたが、1年後に迫った小学校入学に向けて不安しかありませんでした。
しかし療育センターの先生から小学校入学に向けて具体的なアドバイスを頂き、それ相応の準備をして小学校に入学できましので、非常に有難かったです。
コウタローの場合は以下のような準備を小学校入学前に済ませました。
- 就学相談に参加
- 通級指導教室の案内
- WISC-Ⅳ(ウィスクフォー)検査の実施
- 通級指導教室の申込、見学
- 小学校入学前に校長先生、担任の先生と面談
これらは別の記事で詳しく説明したいと思いますが、コウタローが安心して学校に通える環境作りのプロセスは療育センターに通っていなければ知らなかったかもしれませんので、非常に助かりました。
このように療育センターに通うメリットは大きいですし、少し手間になるくらいしかデメリットはありません。
場面緘黙症の園児がいる方は、是非検討してみてはいかがでしょうか。
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