守備の基本、間違っていませんか?

野球
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守備の目的を理解していない人が多い

何事でも『基本』が大事だと言われます。

野球の守備においてもそうです。

学生のときに野球をやっていた人は監督やコーチによく言われたと思います。

でも、教えられた基本は、本当に『基本』なんでしょうか?多くの人は疑問を持ったことがないのでは?と思います。

そればかりか、自分が指導者の立場になると『基本』について理解していないにも関わらず、教えられた『基本』を当然のように教えてしまいます。

 

そもそも守備の目的について、きちんと理解していない人が多いんです。

守備の目的は『打者または走者をアウトにすること』なんです。

当たり前ですね。

 

でも、本当に理解している人は少ないです。

特に学生野球はそうですが、『打球を捕る』ことが目的になっているケースが多い。

将来プロへ進むであろう人間が多く出場する『甲子園』においても、よく見られます。

 

でも、高校で変なことを教えている訳じゃないんですよね。

中学野球、少年野球から指導されている癖が抜けないんです。

結局は野球を教える指導者の知識不足なんです。

その結果が、未だにNPBを経験した日本人内野手がMLBで通用しないことに繋がっていると思っています。

 

ぜひ、身につけて欲しい内野手のテクニック

ここでは、内野守備において、身につけて欲しいテクニックを書きたいと思います。

いずれも、学生野球において『基本』とは言われません。

でも、合理的な動作を理解すれば、『何が基本で、何が基本で無いか』が分かると思います。

 

バックハンドを使いこなす

内野手の中でも守備範囲の広い、ショートやセカンドを経験した人は、

『足を動かして、打球の正面に入れ!』

と、よく言われたと思います。

 

バックハンド(逆シングルとも言います)を使うと、怒られることも珍しくありません。

だから、ショートが三遊間寄りのゴロを処理したり、セカンドが二遊間寄りのゴロを処理すると内野安打連発となります。甲子園でも非常に多いプレーです。

 

先程も書きましたが、『捕る』ことが目的じゃないんです。

『打者をアウトにする』ことが目的なんです。

 

正面に回りこめる余裕のあるときまで、バックハンドで捕れとまでは言いませんが、無理に回り込み、体重が後方にかかった状態で無理やり投げても、強いボールは投げられません。

また、打球を捕った後にステップを踏めば強いボールが投げられるかもしれませんが、全体にかかる時間は長くなります。

 

ですので、バックハンドで処理すべきなんです

 

しかし、バックハンドを積極的に練習するチームは本当に少ないです。

バックハンドは『楽をしている』『ボールをはじいても、体で止められないからダメだ』という指導者が多いんですよね。

これはバックハンドが合理的な捕球方法だという認識が無いからなんです。

 

オープンハンドとバックハンドにおける腕の使い方

正面に入ってゴロを捕るときは『オープンハンド』と言われるグラブの使い方となります。

手を外に捻っている状態ですね。

それに対し、『バックハンド』は手を内側に捻っている状態です。これをよく覚えておいて下さい。

 

今度はボールを投げるときの腕の動作を説明します。

右投げの人は、左腕を内側に捻った状態でグラブを、投げる方向に向けると同時に、ボールを持った右腕も同様に内側に捻ります。

このことより、バックハンドは打球を捕ると同時にスローイングの準備が出来ているんです

 

対して、オープンハンドは外に捻った腕を打球を捕ってから捻りを解き、さらにスローイングのために腕を内側に捻らなくてはいけません。

これでは遅くなって当然ですよね。

さらに言えば、手を外側に捻った状態と内側に捻った状態では力の入り方も違います。

 

壁を両手で押すことをイメージしてみれば分かりやすいです。

大抵の人は腕を内側に捻るはずです。逆に外側に捻ると力が入れ辛いですね。

守備においても打球をとるときに、腕を内側に捻ることは、強い打球に負け辛くなりますから有利なんです。

 

腕を内側に捻る=両手を両肩に広げ、手の平を下にします。その状態から手の親指が地面を向く方向に捻る動き。
腕を外側に捻る=両手を両肩に広げ、手の平を下にします。その状態から手の親指が天を向く方向に捻る動き。

 

以前、あるNPBの選手が高校球児のときのエピソードを話していました。

一打逆転サヨナラ負けの場面で、ショートを守っているその選手へ三遊間寄りのゴロが飛んできたんです。

回り込んで打球を止めるのが精一杯のプレーでしたが、バックハンドで捕って打者をアウトにする考えは無かったそうです。

その選手が答えていた理由は『外野に打球が転がっていくと、サヨナラ負けになる危険があったので、最低限ボールを止めたかった』でした。

 

もっともな様に聞こえますが、私は違うと思いました。

私が感じたのは、

『練習でやっていないことは、試合では出来ない。土壇場であればあれるほど尚更。』

です。

普段からバックハンドを使っていたら、そしてバックハンドを使いこなせるほど練習をしていたら、土壇場でも普通のプレーとして出来ていたと思いますよ。

 

右足を前にして打球を捕る

内野手・外野手を問わず、打球をとるときは『左足を前にして捕れ』と教えられた人は多いと思います。

でも逆です。よく考えれば簡単なことですが。

右投げ野手と仮定して各動作を比較します。

 

左足を前にして打球を捕る時のステップ

①左足が前に来ているときに打球を捕る。

②右足を前に出す(1ステップ目)。

③左足を前に出しボールを投げる(2ステップ目)。

 

右足を前にして打球を捕る時のステップ

①右足が前に来ているときに打球を捕る。

②左足を前に出しボールを投げる(1ステップ目)。

 

右足を前にして打球を捕った方が1ステップ少なく済みます。

 

サードが三塁線を転がるボテボテのゴロを処理するときに、右手でボールを捕って素早くスローイングするシーンを見たことがあるかと思いますが、そのときは必ず右足を前にしてボールを捕ります。それと同じ動作です。

文章で書くと簡単に感じますが、やってみると難しいと感じるはずです。

普段からやっていないと出来ませんからね。

ですからキャッチボールのときから右足を前にして捕ることを意識する必要があります。

 

まとめ

上に書いたようなテクニックは、年をとってレベルの高い野球をやるから学ぶことではありません。

出来れば、子供の頃から癖にして欲しいです。

 

私が『NPBとMLBのレベルの差』を感じるのは内野守備です。

これについては同じ意見の人も多いのではないでしょうか?

 

確かに日本人は諸外国の選手に比べてフィジカル面で不利かもしれません。

でも、そうであればあるほど、合理的な動作が必要になると思います。

 

しかし、残念ながらMLBの内野手の方が上手にバックハンドを使いこなし、最小ステップで強いボールを投げるんです。

これは最近の傾向でなく、昔からずっとそうなんです。

フィジカル面で不利な上で、技術も足りなければ通用しないのは当たり前とも言えます。

 

日本人メジャーリーガーが多く活躍する時代になっても、未だに内野手が通用しない、特にショートを守らせてもらえないのは、このような理由が大きいと思っています。

今野球をやっている人や、指導をしている人は『基本とは何か』を考えて、合理的な動作を身につけて欲しいと思っています。