元電気系エンジニアが教える防災ライトの選び方と適切な保管方法

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防災用品に必須な「ライト」

避けたくても避けられない『災害』。我々は災害を完全に防ぐことはできませんから、災害に対する備えは必要です

防災用品と言っても色々ありますが、その中でもライトは必須ですよね。

停電の発生頻度は昔に比べて減ったものの、大規模災害では話は別。特に夜の災害は心理的にも怖く、灯りがあるのと無いのとでは全然違います。

今回の記事は元電気系エンジニア視点から、防災ライトの選び方適切な保管方法についてお話したいと思います。

 

防災ライトの電源について理解しよう

防災ライトも色々な種類があります。単純に灯りとしてだけ使うものや、ラジオがついているもの、携帯電話の充電ができるものなど様々です。

こういった仕様についてはどれを選んでも構いませんが、『電源』については話は別。

防災ライトは電源の性質を理解して買わないと、いざ非常時に使おうと思っても使えない場合があるのです。

 

一次電池

一次電池とは、マンガン乾電池アルカリ乾電池のような、使いきりの電池のことです。

このような電池は、使用後に充電して再び使うことはできません。

LEDが普及する以前の防災ライトと言えば懐中電灯でしたが、ほぼ乾電池を電源としていました。

 

二次電池

二次電池とは、ニッケル水素電池(Ni-MH)リチウムイオン電池(Li-ion)のような、繰り返し充電して使用できる電池のことです。

製品に『充電式』と書いてあるものは、二次電池が組み込まれている製品のことです。

防災ライトの場合、手回しのダイナモで発電し、二次電池を充電する製品などまさにこれです。

 

普段使用しないなら「充電式」は避けよう

防災用品は普段使わないものですから、ひとまとめにして物置などに置きっぱなしにするような保管をするケースは多いと思います。

このように、防災ライトを長期間使用しない状態で保管するなら『充電式』は避けましょう

理由は、二次電池(充電池)が生き物だからです。もう少し詳しく説明しますね。

 

自己放電

電池は一次電池、二次電池とも自己放電します。

自己放電とは?

 

電池を使用せず置いておくだけでも、時間経過とともに少しずつ電気(電池)容量が減っていきます。これを自己放電(自然放電ともいう)と言います。

 

電池内部では常に化学反応がおこっているためです。

 

この自己放電のせいで、取り出せる電気が少なくなることがあるのです。

この自己放電量は一次電池(乾電池)の方が二次電池に比べて、圧倒的に少ないです。

二次電池でもニッケル水素電池(Ni-MH)は自己放電が多く、リチウムイオン電池(Li-ion)の方が少ないです。

 

過放電

過放電とは、放電終止電圧を超えて放電してしまうことです。

放電終止電圧とは、その電圧に至った時点でそれ以上放電してはいけない電圧値のことで、各電池に定められています。

過放電をしてしまうと、電池寿命が劣化するだけでなく、電池そのものが壊れてしまうこともあります。

 

長期保管で故障するメカニズム

充電式防災ライトを防災用品一式として長期保管していると、以下のようなことが起こります。

充電池が自己放電により、徐々に容量低下。

容量が低下し続けると、やがて放電終止電圧に到達。

さらに自己放電し、過放電状態になる。

電池が故障

製品が使えなくなる。

このように使い方を誤ると、せっかく新品で買っておいた防災ライトを一回も使うことなく故障させてしまうこともあるんです。

ですので、防災ライトを使わずに長期保管するなら充電式は避けましょうね。

 

充電式製品、現実はもっとシビア

充電式製品を長期保管すると、自己放電により過放電となり電池が故障して製品が使えなくなることを書きました。

これは簡潔に書いたものであり、現実はもっとシビアになります。

 

自己放電だけでなく待機電流もある!

充電式製品を使用していないときに、必ずしも電池から回路に電流が流れていないとは限りません。

電池と回路を物理的に切り離して(専門用語で『開放=オープン』という)いなければ、僅かとは言え電流が回路に流れ込みます。

これは充電式製品に限った話ではなく、家電製品一般に言えることで、この電流を待機電流と言います。

 

作り手から見れば、待機電流を限りなく少なくなるようにするのが定石ですが、メカスイッチなどを用いて電源と回路を物理的に切断しない限り、ゼロにはできません。

待機電流がある場合の充電式製品は、自己放電と待機電流が加わり、電池容量の低下速度が速まります。

そして厄介なのは、

・待機電流がどのくらいあるのか?

・フル充電から放電終止電圧までどのくらいの期間保管できるのか?

と言ったことは、買い手からは判断できないことです。

 

温度によって自己放電量は増える!

自己放電は周囲温度が高くなると増える性質があります。

保管場所によっては、夏は暑く冬は寒い場所に置いておくことがあると思います。

そうすると自己放電量が増えて、電池容量が低下するスピードが早くなってしまいます。

 

保管方法による製品選定方法

防災ライトを選ぶ場合、スペックと保管方法を同時に決める必要があります。

例を挙げて説明します。

 

スペック優先の場合

例えば多機能な防災ライト(ラジオ付き、スマホ充電機能つきなど)を選びたく、それが充電式の場合。

先ほど書いたとおり、充電式製品は長期保管には向きません。ですので、このようなタイプの製品を買いたければ、普段から使用することをおススメします。

例えばラジオとして使ったり、スマホ充電器として利用したり。普段から使う習慣があれば、自己放電→過放電による故障の心配はありません。

 

長期保管したい場合

防災ライトも他の防災用品と一緒に長期保管したい場

充電式防災ライトだと、数ヶ月に一回は充電してあげなくてはいけません。でも面倒ですよね?

ですので、こういった場合は一次電池(乾電池)式を選ぶべきですそして同時に乾電池も防災用品と一緒に保管しておいて下さい。

 

おススメする防災ライト選定

個人的におススメするのは、充電式と乾電池式の防災ライトを同時に持つことです。もちろん保管方法は上で書いた通りで問題ありません。

普段使うライトとして充電式防災ライトを使い、万が一の場合に備えて乾電池式の防災ライトを防災用品一式と一緒に保管しておく。

災害時、防災ライトはいくつあっても困りませんし、価格も高いものではありません。ですので、2つ以上持っていても特に問題ないと思いますよ。