相続税対策を目的とした賃貸経営をやるな!業者にお金を搾取されるだけ

投資一般
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アパートが乱立する理由

最近、私が住む地域でアパートが乱立しています。素人目にも『こんなところに?』と思える場所にもです。

その多くが一括借り上げの賃貸(サブリース)アパート。まぁ、ほとんどの人は失敗するでしょう。

人口が増加傾向にあり、今後も増え続ける見込みある地域なら分かるのですが、人口が減っている地域なので、賃貸経営は苦戦して当然です。

 

それなのに、なぜアパートが乱立するのでしょうか?

それは、

  • 相続税対策
  • 固定資産税対策

をサブリース業者がうたい、勧誘するからです。

ターゲットはもちろん年配の方。昔から土地を持っている地主さんですね。

 

私は過去に半年以上の期間をかけて、サブリース業者と交渉をしたことがあります。

別に賃貸経営について興味があったわけではありませんが、良い機会だと思ったので賃貸経営について色々学ばせてもらいました。

ハッキリ言えば、相続税対策を目的に賃貸経営をすべきではありません。今回の記事は、この理由を説明したいと思います。

 

賃貸経営が相続税対策に有効だと言われる理由

ある一面だけを見れば、確かに賃貸経営は相続税対策に有効です。

ちょっと参考例を記します。

■1億円の土地を所有している場合

< 更地のまま >

土地の相続税評価額は1億円

 

< 賃貸経営による相続税対策 >

建設費一億円の賃貸アパートを建設し、その条件を以下のように設定します。

  • 建設費 1億円
  • 建物固定資産税評価額 6000万円
  • 建築資金(全額借入) 1億円
  • 借家権割合 30%
  • 借地権割合 50%

建物を建設してますので、はじめから所有していた土地に加えて、建物にも相続税がかかる事になります。

●土地の相続税評価額

更地の評価額×(1-借地権×借家権)

1億円×(1-50%×30%)

=8500万円

●建物の相続税評価額

建物の固定資産税評価額×(1-借地権)

6000万円×(1-30%)

=4200万円

◎相続税評価額

8500万円+4200万円-1億円(借入金)

2700万円

★節税効果

更地のままの相続税評価額は1億円

賃貸経営したときの相続税評価額は2700万円

【節税効果】1億円-2700万円=7300万円

いかがでしょうか?

なるほど、賃貸経営って節税効果になるんだね

こう思った方は、賃貸経営のみならず投資に向いていません!

ピンと来た人はもうお分かりですね。

 

賃貸経営のおける相続税対策の根幹は「借金」

先ほど説明した賃貸経営の相続税対策ですが、その根幹は『借金』をすることなんです。

土地の相続税評価額も下がりますが、先ほどの例では15%減に過ぎません。それに建物を建てていますから、その分相続税評価対象が増えてしまっています。

これらには大きな節税効果はなく、むしろ増税になっているんですよ。

 

ですので相続税対策を大きくするには、借金することが前提なんです。

この借入金は賃貸運営を開始したときが最大になり、運営が続けば続くほど減っていきます。

つまり相続税対策の効果も、貸経営を開始したときが最大の効果があり、時間が経つほど効果が減っていくのです。

 

資産運用の観点から「借金」はマイナス

賃貸経営を資産運用の観点で見てみると、『借金』はマイナスでしかありません。

余計な金利を取られる借金より、自分が用意したお金で建物を建てた方がはるかに安く済みます。

賃貸経営的には建築費用を一括で払った方が、絶対に有利なのです。

 

今は低金利ですので、昔に比べれば遥かに低い金利でお金を借りることができます。

サブリース業者もそれを前面に打ち出して勧誘してきます。

でも、割高な金利でお金を借りることには変わりないんです。

 

多額の資産を運用しポートフォリオの一部として借金を作るならともかく、サブリース物件を購入する人の多くはそうではありません。

キャッシュが無くても土地を担保に借金できますので、そういう人が多いのです。

 

サブリース業者が相続税対策を前面に打ち出す理由

なぜ、サブリース業者は相続税対策を前面に打ち出すのでしょうか?

理由は2つあります。

 

【理由1】不労所得の理解度の低さ

日本人は昔から不労所得に対して理解度が低いです。すなわち、労働を伴わない収入に対し警戒感を持つ人が多い。

そんな中で、サブリース業者が

すごく儲かりますよ!賃貸経営をやりましょう!

なんて言っても、警戒して話もまともに聞いてもらえないでしょう。

活用していない土地を使って相続税対策をしませんか?お子さんも喜びますし、固定資産税も安くなるんですよ!

このように話すと、警戒心が薄れ『ちょっと聞いてもいいかな?』となるわけです。

そして、

儲けたい訳じゃないけど、相続税をがっぽり取られるのは嫌だなぁ

という日本人の気持ちに、ぴったりなんですよね。

投資詐欺なんかも同様です。儲けることに関しては警戒しても、元本保証という言葉に弱い

だから信じられないような投資話に乗っかって、結果的に大損してしまうんですよね。

 

【理由2】借金を悪いものとは思わせないため

多くの人は『借金』を嫌います。借りたお金より、多くのお金を返す必要がありますから、そう考えるのは当然です。

賃貸経営をするには建物を建てる必要がありますが、それを一括キャッシュで買える人は少ないですよね。

マイホームですらローンが一般的ですから、家よりお金がかかるアパートやマンションもローンを組むのが当たり前です。

ローンは借金ですから、多くの人が嫌がるでしょう。でも、その借金を逆手にとって相続税対策になると言えば、納得する人もいるんですよね。

 

賃貸経営をやるなら儲けること

賃貸経営をやるなら絶対に儲ける気持ちでやらなくてはいけません。

その付加価値として相続税対策があるんです。

これを相続税対策がメインで、付加価値として『多少儲かればいい』なんて気持ちでいるから、騙されて大損するんですよ。

 

価値のある建物を供給できれば、かならず入居者は集まります。

そうやって生み出した不労所得は悪いものではなく、むしろ社会に貢献しているのです。

だからこそ、全力で利益を挙げるための賃貸経営をすべきなんです。

 

相続税対策なんて、やろうと思えば色々方法があるんですよ。無理にリスクを負う賃貸経営などする必要なんてありません。

その中でもサブリースは最も儲けづらい不動産投資ですから、気をつけて下さいね。