2018年のプロ野球は7月11日の試合を終えて、前半戦が終了しました。7月13日、14日のオールスターを挟み、週明けの16日(月)から後半戦がスタートします。
中日ドラゴンズは、37勝43敗1分けの借金6、セ・リーグ5位で前半戦を終えました。
しかし、5位と言っても、
2位 巨人 借金1 中日から2.5ゲーム差
3位 阪神 借金3 中日から1.5ゲーム差
4位 DeNA 借金4 中日から1.0ゲーム差
ですので、Aクラス入りのチャンスもあります。
ただ、
6位 ヤクルト 借金8 中日から-1.0ゲーム差
ですので、最下位転落もありうりますね。
ここで、2018年中日ドラゴンズ前半戦を振り返り、後半戦のキーマンや、個人的に期待してた選手などについてお話したいと思います。
この記事の目次
2018年中日ドラゴンズ前半戦成績
まずは、前半戦の成績を詳しく振り返りましょう。
尚、前半戦の消化試合数は、広島76試合、巨人82試合、阪神74試合、DeNA78試合、中日81試合、ヤクルト77試合となっています。
・勝敗 81試合 37勝43敗1分け(借金6)
1位は広島で43勝32敗1分け(貯金11)。
6位はヤクルトので34勝42敗1分け(借金8)。
・チーム得点 328点(4位)
1位は広島で379点。6位は阪神の280点。
・チーム打率 .259(4位)
1位は広島で.261。6位は阪神の.243。
・チーム防御率 4.42(5位)
1位は巨人で3.89。6位はヤクルトの4.43。
・チーム総失点 373点(5位)
1位は阪神で310点。6位はヤクルトの377点。
この結果を見ると、打撃陣は昨年より頑張っていますが、投手陣が足を引っ張っているようですね。
ただ、これは中日ドラゴンズだけに限った話でなく、全体的に昨年に比べて打高投低の傾向にあります。
まぁ、それを差し引いても投手陣の成績はセ・リーグ最下位のヤクルトと大差ありませんし、良くないことは間違いありません。
2018年前半戦 打撃陣
それでは主力選手の前半戦結果を見てみましょう。
【大島洋平】
.265、5本、26打点、OPS.706
【京田陽太】
.231、3本、26打点、OPS.565
【平田良介】
.332、5本、26打点、OPS.873
【ビシエド】
.304、13本、53打点、OPS.884
【アルモンテ】
.304、11本、50打点、OPS.853
【福田永将】
.270、6本、34打点、OPS.726
【高橋周平】
.264、4本、34打点、OPS.713
【大野奨太】
.202、2本、8打点、OPS.636
【松井雅人】
.194、2本、9打点、OPS.618
【藤井淳志】
.206、0本、12打点、OPS.485
【亀澤恭平】
.300、0本、6打点、OPS.686
【モヤ】
.282、1本、14打点、OPS.691
打線の牽引者、助っ人外国人
まず打線を引っ張っているのは、アルモンテとビシエドの助っ人外国人です。
特に新外国人のアルモンテは最近こそ数字を落としていますが、開幕から右に左に打ち分け、ハイアベレージをキープして打線を牽引してくれました。
ビシエドも例年に比べて打率が高く、非常に頑張っています。
1、2番は調子が上がらず苦労した
1、2番の大島・京田は調子が上がらず苦労していましたね。
途中、京田1番、大島2番と打順を入替えたりしましたが、最近は大島1番、京田2番で落ち着いています。
大島は徐々に打率が高くなってきていますし、実績のある選手ですから、最終的には3割近くまでは打率をあげてくるんじゃないかと期待しています。
京田は2番を打つことが多いので、上で挙げた数字だけで判断するのは難しいですね。
ただ、350打席で12四死球は少ないですし、出塁率も.257と低いです。盗塁も14と走っていますが、盗塁死も6と多いですね。
この辺を改善できると、球界を代表するリードオフマンになる可能性がある選手だと思います。
評価が難しい平田・・・
平田は打率こそ.332とハイアベレージをキープしています。出塁率も.459と非常に高いですし、得点圏打率も.333と高いですね。
守備も上手いし間違いなく中心選手なのですが、25打点は少なすぎますね。
もちろん、打順の関係もありますし、得点圏打率も3割を超えているので、文句を言うのは贅沢なのは分かっています。
ただ、何か物足りない気持ちがあるのも事実なんですよね。
ホームランが少ないとか、打点が少ないとかもあるんですけど、何か存在感が薄い感じがするのは私だけでしょうか?
このまま、1シーズンを怪我なく乗り切ったら印象が変わるかもしれませんが・・・
高橋周平・福田は頑張っているが「これじゃない」感の方が強い
2018年前半戦、中日ドラゴンズの打撃陣が元気な理由として、高橋周平と福田の頑張りが挙げられます。
高橋周平はオープン戦から結果を残し、何とかレギュラーの座を掴み取りました。まだまだセカンドとしてはアレですけど、レギュラーとして出るだけの成績は残しています。
でも、それはレギュラーとして最低限の成績であって、守備が売りの選手ではない以上、まだまだ打撃成績を伸ばす必要があるでしょう。
ようやく高橋周平が、レギュラーとして定着しつつあるのはファンとして嬉しいですが、
これじゃない!
と思う人は多いんじゃないですかね。
これまでの期待度や、時折見せる打球の鋭さを見ると、まだまだ覚醒しているとは言い切れません。後半戦は更なる期待をしたいと思います。
福田に関しては、2016年に10本塁打、37打点をマークし、2017年は怪我で出遅れながらも18本塁打、49打点と、レギュラーを手中に収めました。
2018年はここまで、.270、6本塁打、34打点とまずまずの成績と言えます。印象に残る場面で打ったり、殊勲打もいくつかあります。
でも、チームの主軸を打つには心もとない成績ですよね。
福田という選手の最大の特徴は、広いナゴヤドームをものともしない長打力です。しかし前半戦は、福田本来の荒々しさみたいなものを感じさせる場面が少なかったです。
追い込まれていないのに、外側の難しいスライダーを追っ付けてセカンドゴロとか、そんな打席が多く目につきましたからね。
福田の真面目さや、慎重な性格が裏目に出ている面もあるとおもいますが、もっと投手を見下ろす感じの雰囲気を出して欲しいですね。
2018年前半戦 投手陣
こちらも主力投手の前半戦結果を見てみましょう。
【ガルシア】
15試合、91.2回、9勝4敗、2.45
【小笠原慎之介】
13試合、83.0回、4勝6敗、4.23
【吉見一起】
11試合、71.2回、3勝2敗、3.64
【柳裕也】
9試合、47.1回、2勝5敗、5.70
【笠原祥太郎】
10試合、42.1回、0勝2敗、6.17
【松坂大輔】
7試合、37.1回、3勝3敗、2.41
【山井大介】
6試合、40.2回、3勝2敗、2.66
【大野雄大】
4試合、17.1回、0勝2敗、8.83
【鈴木博志】
39試合、37.2回、4勝3敗11H3S、3.35
【祖父江大輔】
31試合、32.2回、1勝1敗10H0S、2.20
【田島慎二】
28試合、27.0回、0勝4敗1H15S、6.00
【岩瀬仁紀】
25試合、21.1回、0勝0敗6H1S、4.64
【又吉克樹】
23試合、22.0回、2勝2敗7H0S、6.55
【藤島健人】
13試合、33.1回、1勝1敗0H0S、4.59
復活・松坂とベテランの踏ん張り
まずは松坂の復活ですね。登板することが出来ただけでなく、防御率も2.41と結果も残しました。
もちろん全盛期ほどのスピードがある訳ではありませんが、それでも奪三振率が8.44あるのが驚きです。
もう故障が出来ない立場である松坂ですが、登板間隔を空けて調整させるなど、森監督の手腕もさすがだと思います。
吉見も松坂同様、大きな戦力になっています。勝利数は多くないものの、粘り強く試合を作ってくれますから、安心感がありますよね。
岩瀬も開幕から十分戦力になってくれました。
もう岩瀬クラスだと、投げている場面を見せてくれるだけでもうれしいのですが、それでも戦力になるなら、なお嬉しいです。
現状の先発はガルシア頼り
先発として、しっかり結果を残しているのはガルシアだけです。ほんと、ガルシアがいなかったらと思うとゾッとしますよ。
期待された若手投手陣は、開幕ローテに入ったものの、次々に脱落していきました。
全然ダメだった訳では無いんですけどね。
柳は4月10日のヤクルト戦でプロ初完封を達成しました。チェンジアップを習得し、投球に幅が出てきたと思います。
まだまだ好不調の波が大きく、序盤で試合を壊すこともあり、6月上旬から登録抹消されていますが、いずれ上がってくるでしょう。
小笠原は開幕投手を任され、大きな期待を背負いスタートした2018年でした。
ストレートで牛耳る場面もしばしば見られましたが、課題の制球力はまだまだで、試合中盤で100球を超えることも多かったです。
チェンジアップに過剰に頼ってしまうこともあり、腕が触れずストレートに力強さを欠く場面も見られ、まだエースと呼ぶには至っていません。
それでも、左腕から繰り出す力強いストレートは魅力的ですし、後半戦もきっちりローテを守って、二桁は勝って欲しいですね。
あと若手ではないですけど大野がピリッとしませんね。今シーズンは二軍で開幕を向かえ、一軍に上がってからも炎上を繰り返してしまいました。
二軍の成績は、52回を投げて被安打38、与四死球10、奪三振52、防御率1.90と寄せ付けていないんです。
でも一軍では通用しない・・・
それなりに実績があり、本来ならば若手を引っ張る立場なんですけどね。まだまだ老け込む年ではないですから頑張ってほしいと思います。
リリーフは田島が二軍降格と厳しい状況
リリーフ陣は何と言っても田島の二軍降格が痛いですね。田島は、
2015年 防御率2.28、9セーブ
2016年 防御率2.44 17セーブ
2017年 防御率2.87 34セーブ
と着実にステップアップしてきた選手です。
特に2017年は、前年の2016年ほど安定感はありませんでしが悪いなりに結果を残し、徐々に一流選手への道を駆け上がっていましたが、今シーズンは炎上も多く、防御率6.00となり二軍に降格となりました。
今年は、新人・鈴木がセットアッパーとして活躍し、リリーフ陣も層を増しました。でも、田島がコケてしまい話が全然変わってしまった。
田島が二軍に落ちた穴を、鈴木が埋める。鈴木の穴は又吉が埋める。結局、人が足りなくなってしまいます・・・
実績のある選手だけに、早く一軍に帰ってきて、安定したピッチングをして欲しいです。
田島以外のリリーフ陣も、ピリッとしません。又吉も好不調の波が荒いのでセットアッパーは怖いし、岩瀬に全盛期ほどの結果を求めるのは酷でしょう。
それでも祖父江、鈴木は頑張っていますね。特に新人・鈴木は力のあるストレートを投げますし、投げっぷりが良いのが好印象です。
田島が二軍降格し、前半戦最後のDeNA3連戦ではクローザーを務めましたし、まだまだ成長する余地があるでしょう。
来シーズン以降に繋げるためにも、まずは今シーズンを怪我無く乗り切って欲しいですね。
2018年後半戦の注目選手
私が個人的に後半戦期待する選手は、投手は小笠原、野手は福田・高橋周平です。
小笠原は現時点でエース候補の筆頭ですし、チームにエースがいなくては安定的な戦いができません。
まだまだ制球力など課題はありますが、今はストレートに磨きをかけ、グイグイ押すピッチングを見たいですね。小手先でかわすピッチングはそれからで十分です。
野手はなんと言っても福田と高橋周平です。
アルモンテ・ビシエド・平田の打率が高いですから、6番、7番を打つ彼らがポイントゲッターになれば、まだまだ得点力は上がります。
それに目先のことだけでなく、将来の3番、4番候補になりうる存在ですから、アルモンテやビシエドに代わりうる存在感を見せて欲しいと思います。
彼らが残した前半戦の成績は、まだまだ物足りません。しかし、一軍にしがみつき生き残っているのも事実なんですよね。
野球選手としてこのチャンスを是が非でもものにし、不動のレギュラーなんて小さなことは言わず、中日ドラゴンズの主軸になるくらいの活躍を望んでいます。
2018年のセ・リーグは広島が頭ひとつ抜けていますが、その他の5球団は団子状態です。中日ドラゴンズも2位が見える位置にいますし、逆に最下位もすぐ近くに迫っています。
でも、ファンからすれば楽しめるシーズンになっているんじゃないですかね?
例年のドラゴンズは、夏場以降、層の薄い戦力が怪我人などでさらに先細り、それとともに下位に沈むことが多いです。
2018年後半戦はどうなるか分かりませんが、他チームも決め手にかける状況ですし、Aクラスを目指して頑張って欲しいと思います。