電子辞書は高校生にとって必須アイテム。あの重い辞書がコンパクトに収まっているわけですから、便利でないはずがありません!
そんな中、トップシェアを誇るカシオのフラッグシップモデルが「EX-word」シリーズのXD-SX4900。高校生英語強化のハイグレードモデルとなっています。
電子辞書はそれなりの値段がしますので、どれを買うべきか迷っている人も多いのではないでしょうか?
と言うわけで、この記事ではカシオのXD-SX4900について徹底レビューしたいと思います。
また、対抗機種となるカシオの「XD-SX400」とシャープの「PW-S1」(Brainシリーズ)との比較もしますので、機種選択の指標となれば幸いです。
この記事の目次
XD-SX4900基本スペック
まずはXD-SX4900の基本スペックから。
XD-SX4900は2020年に発売された機種ですが、新モデルが2021年に発売されなかったので継続販売されています。すわなち、XD-SX4900は2021年も最新型となります。
メーカー | カシオ |
品番 | XD-SX4900 |
発売年 | 2020年 |
本体サイズ | 【幅】157.5mm 【奥行き】101.0mm 【高さ】18.4mm |
質量 | 約290g |
画面 | 5.7型 864×480 TFT |
メモリー容量 | 約500MB |
電源 | 単3形アルカリ乾電池2本 ※エネループ使用可能 ※USB給電可能 |
使用可能時間 | 約130時間 ※アルカリ乾電池使用時 |
付属品 | タッチペン1本 単3形アルカリ乾電池2本 |
コンテンツ数 | 240 |
本体カラー | ブラック ホワイト グリーン |
XD-SX4900の細かい機能としては以下の通り。
- Wi-Fi機能を使って追加コンテンツをダウンロードできる
- USB給電が可能
XD-SX4900にはWi-Fi機能を使ってインターネットに接続し、追加コンテンツを直接ダウンロード可能です。
ちなみに追加コンテンツは色々あるのですが、その中でも便利だと思ったのが「英語以外の外国語辞典」がダウンロード(有料)できることです。
ドイツ語・フランス語・中国語・イタリア語・スペイン語・ロシア語・韓国語・ポルトガル語に対応しているので、大学で履修する第二外国語に使えます。
このことから高校だけでなく大学・社会人でも十分使える機種と言えるでしょう。
XD-SX4900の電源は単3電池が基本ですが、USB給電にも対応しています。家で使うときは電池の消耗を抑えながら使えますね。
ちなみに電池を入れた状態でUSBを接続すると、USB給電が優先される仕組み。
少し残念なのが、今どきmicroUSB端子という謎仕様。今のスマホはUSB Type-Cが主流ですから、わざわざmicroUSBケーブルを用意するのはハッキリ言って手間です。
XD-SX4900の外観
続いて、XD-SX4900の外観についてレビューします。
天面と底面
天面
底面
触ってみると分かりますが、非常に手触りが良いです。肉眼では分かりにくいのですが、拡大してみてみると表面に加工が施してあります(下の画像参照)。
手触りが良い!
エンボス加工?ディンプル加工? 加工名称はよく分かりませんが、小さな凸があることが分かります。
触り心地としては柔らかく温かみがある布のような感じ。たぶん滑り防止も兼ねているんでしょうね。
高級感もありますので、フラッグシップの名に恥じない外観だと思います。
側面
左側面
左側面にはイヤホン端子(φ3.5)があります。電子辞書には必須ですね。
個人的には音声出力としてBluetoothもつけて欲しかったです。時代を考えると、当然装備すべき機能だと思うんですけどね(それなりに高い値段なんだし)。
続いて右側面。手前から「microSDカードスロット」「microUSB端子」「タッチペン」。
microSDカードはSDHCにも対応し、本体の記憶容量を増やす目的で使えます。追加するコンテンツが増えると本体記憶容量がひっ迫するかもしれませんからね。
microUSB端子は先程触れた給電機能に使うほか、
- パソコンと接続して追加コンテンツをダウンロードできる
- プロジェクターに接続して投影できる
といった機能に用いられます。
Wi-Fi環境が無い場合でも、USBでパソコンと接続すれば追加コンテンツをダウンロード可能です。
プロジェクター機能に関しては、正直「使う人いるの?」と思いますが、先生や塾の講師向けなんですかね?
電池部
電池蓋は簡単に外れます。たまに電池蓋を外しにくい製品がありますが、XD-SX4900はそんなことはありません。
電池を取り出しやすいように、取り出しリボンもついています。これも電池を取り出しにくい製品がありますから、地味にありがたいです。
使用できる電池は以下の通りです。
- 単3アルカリ乾電池
- 単3形エネループ
- 単3形充電式EVOLTA
コストを考えると、エネループやEVOLTAが使えるのは良いですね♪
ちなみに電池を交換すると、入れた電池の種類を確認する画面が表示されます(毎回です)。
入れた電池の種類を選択する
続いて日付・時刻設定の画面が表示されます。
続いて日付・時刻設定画面
実はこれ、初期設定だけでなく電池交換の度に設定しなくてはいけません。
さすがに初期化はされておらず、電池を外した時間だけ遅れる仕様なのですが、正直ちょっと面倒くさい・・・
さらに、「電池の種類を確認する画面」から「日付・時刻設定の画面」に移行するのに、約10秒ほど読み込み時間がかかります。
まぁ実使用上、そう頻繁に電池を交換するわけではありませんから、そこまでストレスは感じないと思いますけどね。
ヒンジ
ヒンジは180°開く
ヒンジは180°開きます。両手で持ち上げながら操作するときに便利です。
タッチペン
タッチペン
タッチペンは約94mm(実測値)。大人が使っても短すぎることもなく、使いやすいです。
XD-SX4900の使い勝手
ここではXD-SX4900の使い勝手についてレビューします。
サイズ感
本体サイズは幅157.4mm、奥行き101.0mm、高さ18.4mm、重さが約290g(電池を含む)です。
イメージとしては「Newニンテンドー3DS LL」と同等のサイズで、ちょっと軽いくらいです(「Newニンテンドー3DS LL」は約329g)。
特に持ち運びにくいことはありませんが、スマホのようにポケットに入れて携帯するような使い方は難しいでしょう。
起動は爆速
XD-SX4900は画面を開くと自動的に起動しますが、これが爆速です。
早いときは「開いた瞬間」に起動しますし、遅いときでも「約2秒」くらい起動します。早いときと遅いときがある理由は、おそらくスリープモードに入るかどうかの違いだと思います。
少し時間を置いてから起動すると、必ず2秒くらいの起動時間となりますからね。
まぁ、いずれにしても爆速なことに違いは無く、ストレスフリーです♪
画面を閉じれば自動的に電源オフ。キーボードにある電源スイッチを押せば、画面を閉じずに電源オフできます。
これもメッチャ楽!
ちなみに起動時は、前回電源が切れたときと同じ画面が表示されます。ホーム画面へはボタン一発で戻れますので、この仕様も便利だと感じました。
キーボード入力
キーボード
キーボードは広くて打ちやすいです。個人的にはカーソルキーが右端にあるので使いやすいと感じました。
「画面のスクロール」「ことばを選ぶ」など、カーソルキーの使用頻度は高いんですよね。なので端っこにあった方が楽に操作できます。
ちなみに、液晶画面を上下になぞっても画面のスクロールは可能ですが、基本的にカクカクです。スマホのようなフリックをイメージしていると物凄い違和感を感じると思います。
取説にも「画面スクロール」ではなく「画面を送る」という表現になっていますからね。
液晶で操作するとスマホのような動作を期待してしまうので、「画面送り」はカーソルキーの方が快適でスムーズです。
複数辞書検索が楽で早い!
XD-SX4900は直感的に操作でき、検索も素早くすることができます。
特に、複数辞書検索が楽で早い!
ホーム画面
やり方はいたって簡単。ホーム画面にある検索ボックスに調べたいことばを入力するだけです。
そうすると、複数の辞書から瞬時に検索結果が表示されます。
「すいそ」と入力した例
左側に入力された文字から始まることばのリストが、収録辞典別に表示されます。
説明を見たいことばをタッチすると、詳細な説明を見ることができます。
「広辞苑」の説明文
これは「広辞苑」の説明を選んだ場合の画面です。
「ジーニアス和英辞典」の説明文
これは、「ジーニアス和英辞典」の説明を選んだ場合の画面です。
最初に辞書を選んでからことばを入力して調べることもできますが、こちらの方が楽で早く検索できます。
ハッキリ言って、この複数辞書検索はおススメです!
【結論】使い勝手は非常に良い!
結論として、XD-SX4900の使い勝手は非常に良いと思います。
特に起動と検索の早さには驚きました。
ハッキリ言うと、これらが遅いと電子辞書のメリットがスポイルされるんですよね。
もちろん軽くて持ち運びに便利という点はありますが、あまりに動作が遅いと「紙の辞書で良くね?」ってなりますから。
操作系も取説を読まなくても直感的に操作できますし、ユーザビリティに優れた製品だと思います。
兄弟機・カシオXD-SX4800との比較
XD-SX4800はXD-SX4900と同時発売(2020年1月24日)されたカシオの兄弟機。
位置づけとしては、
- XD-SX4900 → 高校生ハイグレードモデル
- XD-SX4800 → 高校生スタンダードモデル
となります。
とは言っても、両機の外観・ハードウェア性能は全く一緒。主な違いは以下の通りです。
カラーバリエーション
XD-SX4900の本体カラーは「ブラック」「ホワイト」「グリーン」の3種類。
それに対し、XD-SX4800の本体カラーは「ブラック」「ホワイト」「グリーン」「ブルー」「オレンジ」の5色と豊富。
高校生スタンダードモデルのXD-SX4800の方が、選べるカラーバリエーションが多いですね。
コンテンツ数
XD-SX4900とXD-SX4800の最も大きな違いは、収録されているコンテンツ数です。
XD-SX4900が240コンテンツを収録しているのに対し、XD-SX4800は220コンテンツとなっています。
【XD-SX4900のみ収録しているコンテンツ】
- リーダーズ英和辞典 第3版
- リーダーズ・プラス
- オックスフォード連語辞典
- ロングマン英語アクティベータ 第2版
- キクタン英会話 初級編
- 徹底例解 ロイヤル英文法 改訂新版
- 小論文入試 パターン別書き方ガイド
- TOEIC®テストスコアアップ 新形式問題付き
- TOEIC®テストハイパー模試 5訂版 新形式問題対応
- TOEIC®LISTENING AND READING TEST 15日で500点突破! リスニング攻略
- TOEIC®LISTENING AND READING TEST 15日で500点突破! リーディング攻略
- TOEIC®テスト公式問題集 新形式問題対応編
- 全セクション対応 TOEFL®TESTはじめての徹底攻略! ―TOEFL®iBT対応―
- TOEFL®TEST模擬試験&「レクチャー問題」リスニング徹底練習300問
- 改訂版 キクタンTOEIC®TEST SCORE 500
- 英熟語ターゲット1000 3訂版
- 英熟語ターゲット1000 3訂版 BRUSH-UP TEST
- COCET2600 理工系学生のための必修英単語2600
- 分野別 漢検でる順問題集 2級 [新装四訂版]
- 分野別 漢検でる順問題集 準2級 [新装四訂版]
- 分野別 漢検でる順問題集 3級 [新装四訂版]
- 日本国憲法
- 合本俳句歳時記 第四版
XD-SX4900のみ収録されているコンテンツ数は23。
辞書系では、「リーダーズ英和辞典 第3版」「リーダーズ・プラス」の有無がポイントですね。
リーダーズ英和辞典は「英文を読む人のための辞書」と言われ、英語上級者や翻訳者向けの辞書。論文を読む必要がある理数系の大学生から翻訳家など英語のプロまで幅広く愛用されています。
その他のコンテンツに目をやると、XD-SX4900はTOEICを中心とした学習コンテンツが充実していおり、よりハイレベルな英語学習が可能です。
【XD-SX4800のみ収録されているコンテンツ】
- ベーシックジーニアス英和辞典
- 改訂版 キクタン【Advanced】6000
- 改訂版 キクタン【Super】12000
XD-SX4800のみ収録されているコンテンツは3。
XD-SX4800には収録されている「ベーシックジーニアス英和辞典」ですが、XD-SX4900には収録されていません。ちなみに両機とも「ジーニアス英和辞典」は収録されています。
これらのことから、XD-SX4900が超難関大学への受験を意識していることが分かります。逆に言えば、ほとんどの人はXD-SX4800でも十分なコンテンツ量と言えるでしょう。
価格
価格を比較してみました(ネット通販価格)。
- XD-SX4900 → 30,000円~35,000円(税込み)くらい
- XD-SX4800 → 25,000円~30,000円(税込み)くらい
XD-SX4900とXD-SX4800の差額は大体5,000円くらいですね。
値段とコンテンツの差を天秤にかけて選ぶことになりますが、私は「大は小を兼ねる」と考えXD-SX4900を選びました。
ライバル機・シャープPW-S1との比較
XD-SX4900のライバル機といえば、シャープ「Brain」シリーズの2021年モデル「PW-S1」です。
シャープ・高校生モデルとしては、
- PW-S1 → ハイグレードモデル
- PW-H1 → スタンダードモデル
があり、「XD-SX4900とPW-S1」「XD-SX4800とPW-H1」がそれぞれライバル関係になっています。
ここでは、高校生ハイグレードモデルであるXD-SX4900とPW-S1を比較してみます。
PW-S1のスペック
PW-S1のスペックは以下の通りです。
メーカー | シャープ |
品番 | PW-S1 |
発売年 | 2021年 |
本体サイズ | 【幅】152.4mm 【奥行き】94.5mm 【高さ】17.9mm |
質量 | 約260g |
画面 | 5.5型 864×480 TFT |
メモリー容量 | 約200MB |
電源 | 充電式 ※リチウムイオン充電池 |
使用可能時間 | 約140時 |
付属品 | タッチペン1本 micoUSBケーブル ACアダプター |
コンテンツ数 | 280 |
本体カラー | ネイビー ホワイト |
XD-SX4900との違いをまとめると以下の通りです。
- PW-S1の方が若干小さくコンパクト
- PW-S1の方が30g軽い
- PW-S1は画面を360°開くことができ、スマホのように縦画面でも使える
- PW-S1は使用時間が10時間長い
- PW-S1はコンテンツ数が40多い
- XD-SX4900はメモリー容量が2.5倍大きい
- XD-SX4900の方が液晶画面が大きい
- XD-SX4900の方が若干安い
- PW-S1は充電式
外観上の大きな違いとしてはシャープPW-S1の方が小さくて軽く、縦画面でも使えることが挙げられます。
ただ、それでもPW-S1の重量は260gあります。スマホでも200gを越えると重量級の機種となりますから、正直片手で快適に使用できるとは思えません。
「そういう使い方も出来る」に留めておく方が無難でしょうね。
コンテンツ量はPW-S1の方が多いですが、収録してあるコンテンツが違うため単純な比較はできません。
国語系に関してはPW-S1が「大辞林」、XD-SX4900が「広辞苑」と違いがありますが、機種選択の決定打とはならないでしょう。この辺は好みの問題ですから。
英語系に関してはPW-S1も「ジーニアス英和辞典」「リーダーズ英和辞典 第3版」「リーダーズ・プラス」を収録してあり、XD-SX4900と同等。PW-S1も超難関大学への受験を意識しています。
英語学習はどちらもTOEIC・英検対策のコンテンツが充実しており、これも同等。
価格はPW-S1の方が若干高いですね(ネット価格)。最安で税込み35,000円を切るくらい。XD-SX4900は30,000円~35,000円(税込み)くらいですからね。
ただ、XD-SX4900は最新機種と言っても2020年発売ですから、単純に比べられない点はありますけどね。
これらのことを考えると、カシオXD-SX4900とシャープPW-S1の決定的な違いは「電源方式」と言えるでしょう。
シャープPW-S1の充放電性能
- カシオXD-SX4900の電源は「単3電池」
- シャープPW-S1の電源は「充電式」
どちらが良いかを説明する前に、シャープPW-S1の充電性能を確認してみます。
使用している電池は「リチウムイオン電池、DC3.7V、1800mAh」であり、microUSB端子を使って充電します。
充電時間は約6時間(取扱説明書より)で急速充電ではありません。この点はスマホの急速充電に慣れた現代ではストレスに感じるかもしませんね。
リチウムイオン電池はユーザーによる交換は不可。ただし「充電電池は消耗品のため、有償にて承ります」とのこと(シャープQ&A情報より)。
手間とコストを考えると有償で充電池交換はあまり現実的じゃありませんね。
よって「PW-S1の製品寿命=充電池寿命」と言ってよいでしょう。
通常使用なら電池寿命は問題ない
気になるのが「この充電池がどのくらい持つのか?」だと思いますが、スペックを考えるとある程度長く使える設計だと思います。
PW-S1の使用時間は140時間となっていますが、それは「連続表示させた場合」であり、実使用ではありえない使い方です。
取扱説明書によれば、
- 1時間あたりの表示状態を55分、検索を5分間行った場合の使用時間=約70時間
- microSDメモリーカードに収録したMP3データを連続再生した場合の使用時間=約14時間
となっています。どちらも微妙な使い方ですが、相当使い込む人でも1週間に2回充電する程度で収まるでしょう。
そう考えると、1年間で行う充電回数は約104回。一般的な充電池であれば、充放電サイクル回数は500回なので、約5年間は持ちます。
これが1週間に1回充電するペースなら、2倍の10年は持つでしょう。
少し補足すると、「充放電サイクル回数」は製品に組み込んだ状態での充放電の回数ではありません。あくまで電池メーカーが規定した方法で充電と放電を行うサイクル数のことです。
したがって、製品の充電方式と負荷によって電池寿命は大きく変化します。
簡単に言えば、充電も放電も少ない電流の方が電池にとってやさしいので長持ちし、反対に急速充電のような大電流での充電および大電流での放電を繰り返すと寿命は短くなります。
PW-S1はメーカーが規定している使用時間や構造を考えると、大きな負荷で動かしてはいませんし、充電時間は6時間ですから大電流での充電はしていません。したがって、電池にやさしい設計となっています。
このことから、上で挙げた計算結果より長く使える可能性が高く、通常使用においては電池寿命を心配する必要は無いでしょう。
懸念事項はユーザーによる「過放電」
シャープPW-S1はリチウムイオン電池を採用していますが、リチウムイオン電池は「過充電・過放電に弱い」という特性があります。
と言っても「過充電」については心配する必要はありません。回路側で過充電を防止できますから、PW-S1もそうなっているはずです。
問題は「過放電」です。
過放電とは、電池の容量が0%を表示している状態からさらに電流が流れて放電が進むことを言います。
スマホの例を挙げて分かりやすく説明すると、スマホを使っていくうちに電池が減り、それが0%になると自動的に電源が切れますよね?
画面の表示上は0%ですが、電池に蓄えられているエネルギーが0%になったわけではありません。
画面に表示されている「0%」とは放電終止電圧(安全に放電を行える放電電圧の最低値)のことであり、これ以上放電が進むと制御すべき回路も動作できなくなるので、それを防ぐため製品の電源を切っているのです。
しかし電池に余力があっても、回路を動かすために微小な電流が電池から流れますから、充電しない限りは電池容量はどんどん減っていきます。
さらに、リチウムイオン電池は昔主流だったニカド電池やニッケル水素電池に比べて自己放電が少ないものの、これも0というわけではなく、放置しているだけで電池容量は減っていきます。
こうやって放電が進むことを「過放電」と呼びます。
ちなみに過放電が進んだ結果、電池電圧がある一定値を下回ると「深放電」と呼ばれる状態になり、電池の劣化・充電した際の発熱・発火という事故を引き起こす可能性が生じます。
この「過放電」は、ユーザーが充電を怠り長期間放置することが原因ですので、取り扱いには注意が必要です。
まとめると、「シャープPW-S1はリチウムイオン電池を採用していることにより「過放電」が原因で電池寿命を著しく低下させる可能性がある」ということです。
長く使いたかったらXD-SX4900を選ぼう
電子辞書のスペックとしては、カシオXD-SX4900とシャープPW-S1はほぼ同等の性能を持っており、特に不満な点は無いでしょう。
ただし、シャープPW-S1の電源方式はリチウムイオン電池を用いた充電式のため、長く使えるかどうかはユーザーの使い方次第となります。
定期的に使い、決して放置するようなことをしなければ大丈夫ですが、こればかりは分かりません。何せ子供用に買う場合がほとんどですからね。
もちろん、親としては子供にちゃんと使って欲しいと思うでしょう。でも高校1年~2年は勉強をサボって、3年から受験勉強のため電子辞書を引っ張り出してくるケースだってなくはないでしょ?
ハイグレードモデルは大学生でも使用可能。同じく大学1年~3年はほとんど使わず、4年の論文作成時に電子辞書を引っ張り出す、なんてこともありうります。
そんな使い方をしていればあっという間に電池は劣化し、使い物にならなくなってしまう可能性があることだけは頭に入れておくべきです。
- スペック面では不満がないので出来るだけ長く使って欲しい
- 余計な心配なく長く使いたい
という人はカシオのXD-SX4900を選んだ方が安心ですね♪
最後に
この記事ではカシオの高校生英語強化モデルXD-SX4900についてレビューしました。
私がカシオのXD-SX4900を選んだ決め手は、「電源が単3電池だから」です。
正直、デザインで言うとカシオのXD-SX4900は質実剛健であり、シャープPW-S1の方が洗練されていると思いますが、やっぱり充電式が最後までネックでした。
急速充電に対応して充電池をユーザーで交換できる仕様なら問題ないんですけどね。もちろん正しい使い方をすれば何の問題もないのですが、子供がちゃんと使うか分かりませんから。
電子辞書はそれなりに高い価格ですので、この記事が納得する電子辞書を購入する指標となれば幸いです。