子供(高校生)にデスクトップパソコンを買ってあげようと思い、BTO(Build To Order)を中心に探していたのですが、どこも価格が高く二の足を踏んでいました。
用途や予算はこんな感じです。
- 予算15万円くらい
- 事務用途は余裕
- FHDゲームも余裕
- 動画編集も余裕
- 生成AIの導入も可(触れる程度ならいける)
子供はすでに事務用としてノートパソコンを持っていますので、デスクトップパソコンはゲームやクリエイティブ系にも使えるスペックが望ましいと考えました。とは言え、15万円以内で買えるパソコンのスペックを見ると、性能がちょっと足りなく感じるんですよね。
BTOショップでパソコンを買ったことのある人なら分かると思いますが、BTOショップってカスタマイズをすると途端にコスパが悪くなります。特にメモリやストレージ容量、電源などをグレードアップすると価格が跳ね上がるんですよね。高スペックマシンを買う場合は、この辺のパーツも強化されるのでカスタマイズする必要が無かったりするのですが、ミドルレンジ以下のBTOパソコンはこの点がネックになるんです。
このような流れがあったので、「自作すれば15万円を切れるんじゃね?」と思い、実際に試算してみると、ポイント込みの実質価格13万円台で希望するパソコンが作れることが分かりました。円安のせいで自作PCの旨味が減ってきたといわれる昨今ですが、それでも自作したほうがはるかに安いです。
今回の記事では、このような経緯からできた自作PCのパーツ構成~組立完成までをご紹介します。このスペックで13万円台は相当コスパは良いと思いますし、パーツ選びの参考になれば幸いです。また、「スペック的に PlayStation 5 Proに比べてどうなの?」と気になる人も多いと思いますが、ゲーミング性能に関しては別記事で詳しくチェックしていますので、そちらをご覧いただければと思います。
スペック紹介
今回自作したパソコンの主なスペックは以下の通りです。
- [OS] Windows11 Home
- [CPU] Ryzen7 5700X
- [グラボ] RTX4060Ti
- [メモリ] 32GB
- [ストレージ]2TB(m.2 SSD)
- [Wi-Fi]有り
- [実質価格]139,096円(購入価格=149,042円、ポイント還元分=9,946円)
当初想定していたグラボはRTX4060だったのですが、いろいろ切り詰めていった結果、RTX4060Tiにグレードアップできました。当然メモリは32GB、ストレージはm.2 SSD(Gen4)2TBです。
詳細なパーツリストは以下の画像をご覧ください(クリックで拡大します)。
今回自作するパソコンは「コスパ良く」がテーマですので、CPUは最初からRyzen7 5700Xを使おうと決めていました。Socket AM4のマザボやDDR4のメモリも安く買えますし、今回のテーマにぴったりです。
AM5での構成も検討しましたが、CPUだけでなくマザボやメモリの価格も高くつくことからコスパという点ではダメ。必要とするスペックが高ければ問答無用でAM5ですが、今回想定している用途であればAM4でも十分ですしね。
Ryzen7 5700XとRTX4060Tiの組み合わせはスペック的に丁度良く、BTOショップでもよく見かける構成です。ちなみに、ドスパラで同じようなスペックのゲーミングPCを調べてみるとこんな感じでした。
価格は約19万円。これで「メモリ16GB、SSD 500GB、Wi-Fiなし」ですから、十分なスペックとは言えません。今のゲームはデータ容量も大きいですし、ストレージ500GBでは足りません。と言うわけで、ここからカスタマイズして「メモリ32GB、SSD 2TB、Wi-F1あり」にすると・・・
22.7万円まで跳ね上がりました。もちろん、BTOパソコンは組み立てる費用やパーツの初期不良、製品の保障代も入ってますから単純に自作PCの金額と比べられませんが、それでもスペックに対し価格が高いと感じてしまいますね。
逆に、金額ベースでスペックを調べてみるとこんな感じでした。
価格は14.6万円、CPUは Ryzen7 5700X とここまでは良いのですが、グラボがエントリークラスのRTX3050なんですよね。さすがにこれではスペックが低すぎます。
そう考えると、今回の自作PCのスペック(Ryzen7 5700X&RTX4060Ti)で価格が139,096円は相当コスパが良いですよね。
パーツ紹介
それでは今回使用したパーツを個別にご紹介します。
【CPU】Ryzen 7 5700X
Ryzen 7 5700X
言わずと知れた、ぶっ壊れコスパのCPU。コスパの良いPCを組みたい!と考えた人なら、必ず候補に挙がるCPUでしょう。2.5万円で8コア16スレッドですからね。PCI-Express 4.0にも対応していますし、TDPが65Wなのもグッド!普通に使っていれば発熱で苦労することはありませんし、ケースやCPUクーラー等の低コスト化にも繋がりますから、得られるメリットは大きいです。
購入先はドスパラ楽天市場店で価格は24,680円でした。ポイントが2,779円分付きましたので実質価格は21,901円です。
【マザボ】PRIME B550M-A WIFI II
PRIME B550M-A WIFI II
購入したマザーボードはASUSの「PRIME B550M-A WIFI II」で、Wi-Fi付きコスパモデルの代表格ですね。主なスペックは以下の通りです。
- MicroATX
- B550チップセット搭載
- VRMフェーズ数:8(6+2)
- メモリスロット:4
- M.2ソケット:2
- SATAポート:4
- PCI Express 4.0/3.0 x16 スロット:1
- PCI Express 3.0 x1 スロット:2
- Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2
- 第2世代アドレサブルヘッダー有り
- 背面パネルUSB:6(USB3.2Gen2→2、USB3.2Gen1→4)
「PRIME B550M-A WIFI II」のVRMヒートシンク周り
メーカーやスペックには特にこだわりは無かったのですが、しいて言えば「M.2ソケットは2個以上、背面パネルUSBは出来るだけ多い、アドレサブルヘッダーは必要、価格が安い」でした。この条件で探すとなると候補はそれほど多くなく、今回購入した「PRIME B550M-A WIFI II」か、MSIの「B550M PRO-VDH WIFI」くらいなんですよね。
「PRIME B550M-A WIFI II」の背面パネル
最終的にMSIの「B550M PRO-VDH WIFI」を選ばなかった理由は、背面パネルにあるUSBが「USB3.2Gen1が4つ、USB2.0が2つ」としょぼかったからです。それ以外は、アドレサブルヘッダーが2つあったり、ケースファンコネクタが3つあったり、そして何よりBIOSフラッシュバック機能を搭載していたりと不満は無いんですけどね。
ちなみに「PRIME B550M-A WIFI II」はBIOSフラッシュバック機能がありません。よって、CPU選定は注意が必要です。今回使用する「Ryzen 7 5700X」はBIOS初期バージョンである「0303」で動きますので問題ありませんが、ゲーム性能が強化された「Ryzen 7 5700X3D」は、BIOS初期バージョンでは動きませんので注意して下さい。こんなときにBIOSフラッシュバック機能があれば便利なんですけどね。
購入先はAmazonで価格は9,189円でした。ポイントが276円分付きましたので実質価格は8,913円です。
【CPUクーラー】RZ400V2-BK
RZ400V2-BK
Ryzen 7 5700XはCPUクーラーが付属していませんので、別途用意する必要があります。そこで選んだのが、CPSの「RZ400V2」です。
RZ400V2-BKの外観
このクラスの定番であるDEEPCOOL「AK400」、コスト重視のPCCOOLER「K4」と色々ある中、「RZ400V2」を選んだ理由は質感&デザインが抜群に良かったからです。今回使用するケースは内部が見えるタイプであり、サイズの大きなCPUクーラーはどうしても目立ってしまいます。よって、デザインにも一応気を配りました。
購入先はヨドバシ.comで3,870円でした。ポイントが387円分付きましたので実質価格は3,483円です。
【グラボ】GeForce RTX 4060 Ti
GeForce RTX 4060 Ti
購入したグラボはMSIの「GeForce RTX 4060 Ti Dual OC 8GB」です。2連ファンタイプで、LEDライティングはありません。
発売当初はスペックに対し価格が高く、決して評価の高いグラボではありませんでしたが、価格の下落と共に評価も上がってきましたね。消費電力が160Wとワットパフォーマンスに優れ、FHDゲームなら無双するスペックが RTX4060Ti の魅力でしょうか。欠点を言えば「VRAM 8GB・メモリバス幅 128-bit」という点でしょうね。これがネックとなり、高解像度(WQHDや4K)のゲームでは苦しくなりますからね。
とは言え、生成AIの導入も視野に入れるならNVIDIAのグラボを選びたいですし、今回の予算の中ではベストバイだと思っています。購入先はAmazonで53,709円でした。ポイントが1,695円分付きましたので実質価格は52,014円です。
【ケース】S100 TG Snow Edition
S100 TG Snow Edition
購入したのは Thermaltake の「S100 TG Snow Edition」です。人気のあるミニタワー(MicroATX)ケースですね。正面からみて左側面が強化ガラスのスイングドアになっており、内部へのアクセスが容易になっています。
最大280mmの水冷ラジエーターを取り付け可能で、また最大330mmの拡張カード搭載スペースがあります。拡張性はそれなりに高いですね。ケースファンは最大5個取り付けることができますが、天面・底面とフィルター付きの通気口がありますので、放熱性は高いと思います。その分、静音性は良くないと思いますが、これはトレードオフの関係なので仕方ありませんね。
天面
デザイン的には余計な装飾がなく至ってシンプルです。特に何が優れている訳ではありませんが、全てが無難って感じなケースですね。これが5,000円以下なら文句ないでしょう。
ケースが色に合わせて他のパーツも白に統一する選択肢もありましたが、余計なコストがかかるので止めました。今回の構成ではケースが白、他のパーツは出来るだけ黒のツートンカラーにしてデザインの統一感と低コストを目指しました。
裏配線スペース
裏配線スペースは決して広くはありませんが、困るレベルではありません。中段には2.5インチドライブベイが2つあり、底面には内部3.5インチと2.5インチ共用のドライブベイが2つあります。普通の使い方であれば十分ですね。
購入先はAmazonで4,827円でした。ポイントが48円分付きましたので実質価格は4,779円です。
【電源】C750 Bronze
C750 Bronze
今回のパーツ選定で頭を悩ませたひとつが電源です。価格が軒並み上昇していますし、現在もその流れが続いていますよね。色々と迷いましたが、最終的に購入したのはNZXTの「C750 Bronze」です。ドスパラ(通販)で購入しましたが、販売していたのはドスパラだけでした。
外観1
「C750 Bronze」は4+4ピン CPUケーブル×2、6+2ピン PCIeケーブル×2の750W ATX電源で、そこそこ汎用性の高い仕様となっています。12VHPWRはありませんので、ハイエンドグラボを使う場合には適しませんね。
発売して間もない電源でしたので口コミがほとんどなく、人柱覚悟で購入しました。現状では750W電源としては格安なので、別PC用としてもう一つ購入しています。
外観2
外から基板が見えますが、さすがに詳しくは見えません。本当は分解したかったのですが、保障が無くなってしまうので我慢しました(笑)
通販サイトの画像を見る限り、一次側・二次側のアルミ電解コンデンサは中華製っぽいです。一次側は105℃品を使っているようですね。中華製アルミ電解コンデンサは出来るだけ避けたいところですが、価格を考えればやむを得ません。これを避けたければ、素直に高価な電源を買うしかありませんから。
購入先はドスパラ(通販)で7,280円でした。ポイント還元はありません。
【メモリ】CP2K16G4DFRA32A
CP2K16G4DFRA32A
購入したメモリはcrucialの「CP2K16G4DFRA32A」で、32GB(16GB×2)です。DDR4メモリの定番中の定番ですね。メモリについては特にこだわりはありません(LEDをピカピカ光らせたいとかもありません)。確実に動作して安ければいい、という感じですかね。
逆に言えば、ある程度信頼のおけるメーカーから選ぼうとは思っていました。少なくとも、聞いたことのない中華メーカーから選ぼうとは思わなかったですね。シリコンパワーのメモリの方が安かったのですが、何となくcrucialの方を選びました。
購入先は Joshin web楽天市場店で価格は7,960円でした。ポイントが1,521円分付きましたので実質価格は6,439円です。
【SSD】WD Blue SN580 NVMe WDS200T3B0E
SN580
SSDについてはかなり悩みました。と言うのも、今回の構成で最後に購入したパーツであり、最も予算の影響を受けてしまったからです。それに加え、購入予定だったプリンストンの「PHD-ISM2G4-2T」が値上がってしまったことも痛かったです。目を付けていたときは1.6万円くらいの価格だったのですが、気が付いたら価格が2万円くらいになっていました(汗)
SSDの選定基準としては「TLC、Gen4、発熱が小さい(爆熱じゃない)」だったのですが、結果的に購入したWestern Digital の「SN580」(2TB)はピッタリのSSDでしたね。主なスペックは以下の通りです。
- PCI-Express Gen4
- タイプ:TLC
- 読込速度:4150 MB/s
- 書込速度:4150 MB/s
- TBW:900 TBW
「SN580」は、PCI-Express Gen3キャッシュレスモデルの定番だった「SN570」の後継モデルにあたりますが、性能的には上位モデルの「SN770」に近いと言われています。スペックについてちょっと踏み込んだ話をしますが、前モデルの「SN570」はSLCキャッシュが非常に少なく、すぐに書き込み性能が落ち込みました。しかしながら、キャッシュ切れ後に落ち込んだ書き込み速度が他のSSDに比べて非常に速く、それがSLCキャッシュの少なさをフォローしていたわけです。
それに対し「SN580」のSLCキャッシュが非常に大きいため、高速書き込みを長時間維持することができます。それでもいずれはキャッシュ切れを起こしますが、キャッシュ切れ後の速度も速く(SN570ほどではないものの、それに近い速度がでる)、表面上のスペック以上に性能が高いSSDと言えるでしょう。この傾向は「SN770」も同様で、「SN580」の性能が上位モデルの「SN770」に近いと言われている理由なんですよね。
購入先はツクモ(ネットショップ)で価格は16,880円でした。ポイント還元はありません。
【SSDヒートシンク】TR-M.2 2280 TYPE A G
TR-M.2 2280 TYPE A G
今回購入したマザーボード「PRIME B550M-A WIFI II」にはM.2 SSD ヒートシンクが付いていません。よって別途用意する必要があるのですが、選んだのは Thermalright の「TR-M.2 2280 TYPE A G」です。
とりあえず冷えそうで、グラボの邪魔にならないサイズなら何でも良かったです。特にこだわりはありませんから。そもそも論としてM.2 SSDにヒートシンクが必要なのか問題はありますが、今回使用するM.2 SSDはGen4ですので、念のためヒートシンクを使います。
購入先はAmazonで779円でした。ポイント還元はありません。
【ケースファン】TL-S12W
TL-S12W
購入したケースファンは Thermalright の「TL-S12W」です。ARGB PWMファンの中では格安な部類ですね。回転数が最大1500RPMなので、ケースファンとしてはスペックが低め。ケース内のエアフローを重視する人には向きませんが、今回の構成では十分でしょう。ぶっちゃけ4個も必要ないと思いますが、背面1・天面2・前面1とバランスを考えた結果です。
「TL-S12W」は羽が光るタイプではなく、羽の周りが光るタイプとなっています。落ち着いた光が好みの方にはおすすめなタイプですね。個人的にはあまりピカピカするパソコンは好きではないのですが、中が見えるケースとなると光らせない訳にはいきません(笑)
外観
PWM4ピンとARGB用3ピンはデイジーチェーン(数珠つなぎ)に対応しており、複数のファンを連結して同調させることが可能です。今回の構成では、PWM制御(ファン回転数)は背面&前面と天面2つをそれぞれを同調させ、ARGBは4つのファン全てを同調させました。
購入先はAmazonで、3個セット品が価格2,379円・ポイント還元47円・実質価格2,332円となり、単品が価格939円・ポイント還元26円・実質価格913円でした。今回は記事にする都合上、3個セット+単品で購入しましたが、コスパを考えると3個セットを2つ購入し、使わない分は予備として保管しておく方が良いでしょうね。ファンは消耗品ですし、別PCにも流用できますからね。
【OS】Windows11 Home(パッケージ版)
Windows11 Home(パッケージ版)
内容については特に説明不要だと思いますが、購入するときに注意したことは「本当に正規品かどうか?」「DSP版が送られてこないか」です。DSP版とは「Delivery Service Partner version」の略で、最初にインストールされたPC以外では利用できないOSのことです。メーカーPCにプリインストールして出荷するためのOSですね。
悪徳業者に偽物やDSP版を掴まされることを避けるためには、信頼のおける購入先から買う必要がありますので、価格以上に購入先には注意しました。結局、購入したのはケーズデンキ楽天市場店で、価格は16,530円でした。ポイントが3,167円分付きましたので実質価格は13,363円です。
組み立て
それでは組み立てていきます。
マザーボードに必要パーツを取り付ける
まずはマザーボードにCPU、CPUクーラー、メモリ、SSDを取り付けます。特に手順が決まっているわけではありませんが、後工程が楽になるように組んでいきます。
① CPUの取り付け
CPUの取り付け
まずはCPUを取り付けます。失敗すればCPUやグラボがパーとなりますので、自作PCを組むうえで最も緊張する瞬間でしょう。AM4はCPU側にピンが立っていますので、箱から取り出す瞬間から作業が始まっています。
マザーボードのソケットレバーを立てて、CPUをそっと置きます。そしてレバーを元の位置に戻せばOK。CPUがしっかり固定されていることを確認すれば完了です。
② SSDの取り付け
M.2 SSDにヒートシンクを取り付ける
今回はM.2 SSDにヒートシンクを取り付けますので、あらかじめやっておきます。今回使用するヒートシンクはThermalright の「TR-M.2 2280 TYPE A G」ですが、これはM.2 SSDを挟み込むタイプとなっています。ネジを外せば上下が分離しますので、取り付けも簡単です。
マザーボードにM.2 SSDを取り付ける
「PRIME B550M-A WIFI II」のSSD取り付け部は2ヶ所あり、CPUに近い側(赤矢印)がCPU直結となります。当然、今回はこちらに取り付けました。ヒートシンクのデザインとマザーボードのデザインが似ていて、自然と溶け込んでいますね。
ちなみに青矢印の部分がチップセット直結のSSD取り付け部です。「PRIME B550M-A WIFI II」では、CPU直結のSSD取り付け部(赤矢印)だとPCIe 4.0 x4 接続になるのですが、チップセット直結のSSD取り付け部(青矢印)だとPCIe 3.0 x4 接続になってしまいます。また、使用するCPUが「Ryzen 5000G / 4000」の場合、CPU直結のSSD取り付け部に接続したとしてもPCIe 3.0 x4 接続になってしまいます。これらのことはマザーボードの取説に書いてありますので、購入前に確認しておいた方がいいですね。
③ CPUクーラーの取り付け
CPUクーラーを取り付ける
CPUクーラーは取説通りにパーツをはめていけば簡単に付けられます。このとき、熱伝導グリスを塗り忘れないように注意しましょうね。今回はコストを下げるために、CPUクーラーに付属しているグリスを使用しました。
熱伝導グリス(付属品)EX90
今回使用したCPUクーラー「RZ400V2」に付属してある熱伝導グリスは「EX90」というもので、熱伝導率は14.8W/m・kです。これはかなりの高スペックですね。そのかわり粘度が非常に高くなっており塗り難さは拭えませんが、まぁ仕方ないですね。
真上から
「RZ400V2」の質感はやっぱり良いですね♪一気にマザーボードが引き締まった感じがします。
④ メモリの取り付け
メモリの取り付け
16GB×2枚のメモリを取り付けます。2枚刺しの場合は優先スロットに取り付けるようにしましょう。「PRIME B550M-A WIFI II」の場合はグレー色のスロットに取り付けます。これも取説に書いてありますので、しっかり確認するようにしましょうね。
これでマザーボードは完成になります。
ケースファンの取り付け
ケースファンの取り付け
ケースにファン4個を取り付けます。今回は背面1・天面2・前面1に付けますが、背面および天面は排気、前面は吸気になるように取り付けます。
ファンの排気方向と吸気方向
ファンには吸気方向と排気方向がありますので、向きをしっかり合わせて取り付けなければなりません。見分け方は色々あるのですが、最も確実なのは羽の形状で見抜くことです。羽が膨らんでいる方向が吸気で、逆に羽が凹んでいる方向が排気となります。
設置完了
4個のケースファンを取り付けました。パーツ紹介でも書きましたが、Thermalright の「TL-S12W」はPWM4ピンおよびARGB用3ピンがデイジーチェーン(数珠つなぎ)に対応しています。今回はPWM制御(ファン回転数)は背面&前面と天面2つをそれぞれを同調させ、ARGBは4つのファン全てを同調させました。
マザボ・電源・グラボの取り付け
ここまでくればもう一息。あとはマザーボードと電源、そしてグラフィックボードを取り付ければ完成です。
① マザーボードの取り付け
マザーボードの取り付け
マザーボードの取り付けについては特筆すべきことはないのですが、しいて言えばバックパネルの爪に注意することですかね。そのまま取り付けると爪が端子内に入り込むことがあるので(というかほぼ入り込む)、折り曲げて対処しておきましょう。
② 電源の取り付け
電源の取り付け
電源を取り付けて配線しました。 ケースはThermaltake の「S100 TG Snow Edition」ですが、線を通す穴が沢山ありますので、配線に困ることは無いでしょう。目隠し(配線孔キャップ)が無いのでスカスカなのがいまいちですけどね。
③ グラフィックボードの取り付け
PCI-Expressスロットのカバー
グラフィックボードを取り付けるために、ケースのPCI-Expressスロットのカバーを取り外す必要があるのですが、「S100 TG Snow Edition」はバキっと折るタイプになっており再利用はできません。低価格ケースでは、ほぼこのパターンですね。ただし、予備としてネジ付きスロットカバーが2つ付属していますので、後々カバーを付けたい場合でも2つまでなら大丈夫です。というか、予備を2つも用意してくれるなら、最初からネジ付きタイプにしてくれって思いますけどね。
グラフィックボードの取り付け
さくっとグラフィックボードを取り付けて完了です。
ケース背面のケーブル状況
一通りパーツを取り付け終わりましたが、この段階ではケーブルはまとめません。動作確認をして問題ないことを確認してからやった方が無難だからです。
動作確認
BIOS画面
無事起動することを確認したらBIOSで取り付けたパーツが正常に認識されているか確認します。今回は特に問題無かったです。ちなみにBIOSのバージョンは「3607」であり、この記事を書いている時点で最新版のひとつ前のバージョンでした。
ケーブルをまとめる
ケーブルまとめ
ケーブルを適当にまとめて完了です。このケースはインシュロックを固定する箇所が多数用意されていますので、比較的楽に作業できます。
無事完成!
配線をまとめてから失敗箇所に気付くのは自作あるあるだと思いますが、今回もやってしまいました(汗)
まずは電源の上下が逆でした。何も考えず電源内の基板が下にくるように取り付けたのですが、この配置だと異物がケース内に入り込んだ場合、そのまま電源内に入る可能性があるんですよね。電源の上下をひっくり返せば、これを防ぐことができます。ケース的には電源を上下どちらでも設置可能なタイプであり、そこまで気にしなければこの配置でも問題ないと思いますが、なんか気持ち悪かったので直しておきました。
あと、前面ファンの位置を下げて、吸気をマザーボード下にも当てるようにしました。これはベンチマークソフトを回しているときに気になったのですが、想定よりもSSDの温度が高くなる瞬間があったからです。危ない温度になるわけではありませんが、念のため風がより当たるように変えておきました。
まとめ
今回の記事では、13万円台で作るミドルスペックパソコンのパーツ紹介・組立完成までご紹介しました。自作PCパーツは時期によって値段が大きく変動しますので、参考になるかどうか分かりませんが、少しでパーツ選定のお役に立てれば幸いです。
また、実際のスペックはベンチマークソフト等を使って確認していますので、それについては別記事でご紹介します。ゲーミング性能に関しては、重量級タイトルの筆頭である「モンスターハンターワイルズ」のベンチマークをガンガン回していますので、興味のある方はそちらもご覧いただければと思います。
GeForce RTX 4060 Ti 外観
余談ですが、このグラボは動作確認を兼ねて、子供達が共用で使っているゲーム用PCで1ヵ月くらい使っていました。それまで使っていた「GeForce GTX1650」に比べるとスペックが段違いですので、あらゆる面が快適になったのですが、とりわけ静音性に優れたグラボだと思いました。ケースに入れた状態では音がうるさいと思ったことは一度もありません。優秀なワッパがもたらす二次的な効果なんでしょうね。
その後、RTX4060Ti を取り外すことになったので、新たに RTX3060Ti を購入し交換しました。購入したのは「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 Ti Twin Edge OC LHR」なのですが、これが結構うるさいんですよ。このグラボは 3060Ti 2連ファンモデルの中では最小の部類であり、放熱性の悪さからくる静音性の悪さは多少覚悟していたものの、ここまでうるさいとは思いませんでした。結局、パワーリミットをかけて使っていますが、静かな RTX4060Ti が羨ましく感じました。