最近、宿泊を伴うお出かけが増え、その度にUSB充電器を出し入れするのが面倒に感じてきました。持ち運ぶUSB充電器を出発前日まで使用する場合、当日にならないと旅行バッグに仕舞えませんし、何より忘れそうで怖いです。そんな状況を打破するために、以前から買いたいと思っていたUSB充電器「Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W) 」を買いました。
「Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W) 」は、AC100Vコンセント×2、USB-Cポート×2、USB-Aポート×2を搭載し、1台で同時に6台の機器を急速充電できるハイエンド充電器です。
USBポートに繋がれた機器の充電状況をモニタリング(電圧、電流、ワット)でき、さらに最大出力は140Wと高出力。複数のノートPCを同時に充電できる性能を持っており、デスク周りに便利な製品となっています。電源タップとしての機能もあることから、旅先では「これが1台あれば十分!」と言い切れるほど便利です。
この記事では「Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W) 」の外観や性能を詳しくレビューしつつ、さらに持ち運びに便利なアイテムなどもご紹介します。
この記事の目次
「Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W)」の基本スペック
まずは「Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W)」の基本スペックから。
メーカー | Anker |
品番 | A9128NF1 |
発売年 | 2023年 |
本体サイズ | [長さ]162mm [幅]79mm [厚み]18mm |
重量 | 約300g (本体のみ) |
電源ケーブル | 1.5m |
入力 | 100-125V~ 50-60Hz 12A 1000W |
出力 | 最大140W ※詳細は別途記載 |
スペック表には「入力電圧・電流:100-125V ~ 50/60Hz, 12A (定格電力1000W)」と記載されており、一見すると海外使用不可と受け取れます。しかし、注意事項として以下のことが書かれているんですよね。
つまり、海外でも使用できるということです。
このような記載になっている理由は、充電器としてはワールドボルテージに対応(AC100V~240Vに対応)しているものの、ACコンセントの形状がA型(日本・アメリカ・台湾などで採用)なので、製品全体として「ワールドボルテージ対応」と規定するわけにはいかないためだと考えられます。ややこしく感じるかもしれませんが、実用上は海外使用OKです。
出力パターン
出力は最大140Wですが、利用するポートや個数によって変化します。また、USBポートは左から「USB-C1」「USB-C2」「USB-A1」「USB-A2」に対応しています。
<1ポート利用時>
※左から「USB-C1」「USB-C2」「USB-A1」「USB-A2」
<出典>https://www.ankerjapan.com/products/a9128?srsltid=AfmBOoqM93ZzxpjoUsKg971-UHzbA78_dcSjjZLDCQxJ2nwxlOPae_4d
1ポート利用時の最大電力
1ポート利用時の最大電力は、
- 「USB-C1」→ 140W
- 「USB-C2」→ 140W
- 「USB-A1」→ 12W
- 「USB-A2」→ 12W
となっています。140Wを使いたい場合はこのモードのみ対応となります。
<2ポート利用時>
※左から「USB-C1」「USB-C2」「USB-A1」「USB-A2」
<出典>https://www.ankerjapan.com/products/a9128?srsltid=AfmBOoqM93ZzxpjoUsKg971-UHzbA78_dcSjjZLDCQxJ2nwxlOPae_4d
2ポート利用時の最大電力
2ポート利用時の最大電力は、
- 「USB-C1」+「USB-C2」の場合、それぞれ65Wずつ
- 「USB-C1/C2」+「USB-A1/A2」の場合、「USB-C1/C2」が120W、「USB-A1/A2」が12W
- 「USB-A1」+「USB-A2」の場合、合計15Wまで
となります。
最近のノートPCは、USB PD(USB Power Delivery)での急速充電に対応したものが増えてきていますが、グラボを積んでいるゲーミングノートPCだと100W以上の充電性能を求められることが多いです。そんな場合でもUSB-Cで充電可能ですし、なおかつUSB-Aでスマホ等を充電することができます。
また、グラボを積んでいない一般的なノートPCなら65W(または45W)の充電性能で事足りることが多く、その場合なら同時に2台を充電することも可能です。
注意点としては、「USB-A」+「USB-A」の場合は合計15Wになってしまうことです。USB-Aを2ポート使う場合は、急速充電に対応していない製品や電池容量の小さい製品を繋ぐようにしましょう。
<3ポート利用時>
※左から「USB-C1」「USB-C2」「USB-A1」「USB-A2」
<出典>https://www.ankerjapan.com/products/a9128?srsltid=AfmBOoqM93ZzxpjoUsKg971-UHzbA78_dcSjjZLDCQxJ2nwxlOPae_4d
3ポート利用時の最大電力
3ポート利用時の最大電力は、
- 「USB-C1」+「USB-C2」+「USB-A1/A2」の場合、「USB-C1」が65W、「USB-C2」が60W、USB-A1/A2が12W
- 「USB-C1/C2」+「USB-A1」+「USB-A2」の場合、「USB-C1/C2」が120W、「USB-A1」+「USB-A2」の合計が15Wまで
となります。
この使い方でも、USB-Cポートはともに60W以上を出力することが可能です。USB-C1の方が若干出力できる電力が大きくなっており、繋ぐ機器によっては考慮した方がいいかもしれません。
<4ポート利用時>
※左から「USB-C1」「USB-C2」「USB-A1」「USB-A2」
<出典>https://www.ankerjapan.com/products/a9128?srsltid=AfmBOoqM93ZzxpjoUsKg971-UHzbA78_dcSjjZLDCQxJ2nwxlOPae_4d
4ポート利用時の最大電力
4ポート利用時の最大電力は、
- 「USB-C1」→ 65W
- 「USB-C2」→ 60W
- 「USB-A1」+「USB-A2」の合計が15Wまで
となります。
3ポート利用時同様、USB-C1の方が若干出力できる電力が大きくなっています。
外観
本体および付属品
本体外観
大部分が光沢のあるパネルが使用されており、AC100Vコンセント周りはノートPCで使われているようなマット仕上げになっています。全体的に高級感があり、ハイエンド機種に相応しいデザインですね。ただし、光沢パネルは指紋がつきやすく、ゴミ等の付着が目立ちやすいというデメリットもあります。デスク周りで常用する使い方もある製品なので、この点は配慮が欲しかったと思います。
本体サイズは約162 x 79 x 18mmです。サイズ感としては、6.7インチのスマホ(厚み2倍)くらいです。
モニター表示1(トータル電力)
電源投入後、ディスプレイに「ANKER」のロゴが浮かび上がり、USBの出力状況がリアルタイム表示されます。初期状態はトータル電力表示です。W表示の右上に温度計のようなマークがありますが、これは ActiveShield の状態を示しています。
ActiveShield とは温度を感知し、出力を調整することによって 接続デバイスの安全を確保する機能のことです。温度が異常に上昇した場合、アイコンの色が青に変わって1秒毎に点滅します。ちなみに本製品は ActiveShield 2.0 に対応し、温度監視回数が従来より2倍増となっています。
モニター表示2(電力表示)
本体側面にある液晶画面ボタンを押すと、ディスプレイに表示される内容が変化します。上の画像は、各USBポートに供給されている電力(W)を表示しています。
モニター表示3(電圧・電流表示)
上の画像は、各USBポートに供給されている電圧(V)と電流(A)を表示しています。
各USBポート
搭載しているUSBポートは、USB-CとUSB-Aが各2個ずつ。左から「USB-C1」「USB-C2」「USB-A1」「USB-A2」と定義され、本体ディスプレイ表示はこれに対応しています。
液晶画面ボタン
本体側面には液晶画面ボタンがあります。このボタンを押すと、ディスプレイに表示される内容が変化します。また、液晶画面ボタンを2秒間長押しすることで、ディスプレイ表示をオフにすることも可能です。
電源コード差込口
付属してある電源コードの差し込み口です。実際に抜き差ししてみると、しっかりしていて抜ける心配はなく、かつ自力で抜きやすく作られていました。品質の悪い製品だと、このような部分がゆるゆるだったり、一旦はめ込むと抜くのが大変なくらい固かったりしますが、これは大丈夫です。
本体底面
底面は四隅に滑り止めのゴム足が設置されています。AC100Vコンセントに差し込むときにもしっかりと接地面にグリップし、余計なイライラを感じることもありません。細かな配慮がされていますね。
AC100Vコンセント
本体の厚みはわずか18mm。こんな薄い本体にAC100Vプラグが刺さるのか?と思うかもしれませんが、このAC100Vコンセントに接続すると差込口が自動で飛び出し、AC100Vプラグがしっかり刺さるためのクリアランスを確保する仕組みになっています。もちろん、AC100Vプラグを抜いた場合も自動で差込口が元に戻ります。
電源コード(1.5m)
付属してある電源コードは1.5mで、やや太めの平型タイプとなっています。仕様上、出力できる最大電力が1000Wですので、このくらいの太さになってしまうのは仕方ありません。パソコンで使われるような極太ケーブルに比べれば細いですし、取り回しが悪いとは感じません。
コード長に関してはこのくらいが丁度いいと思います。出先で使うことを考えると、机の近くにコンセントがあるとは限りませんし、ある程度の長さがないと取り回しに苦労することになりますからね。また、コード長が長すぎると持ち運びに不便になってしまします。そう考えると、1.5mというコード長は妥当な長さだと思います。
電源コード(本体接続部)
電源コードの本体接続部は専用設計となっています。つまり、この電源コード自体も専用品ということになりますね。薄型本体に対応させるためには仕方のないことだと思いますが、汎用品が使えないのはいまいちですね。
普通の使い方をしていれば電源コードが故障(断線)するようなことは無いと思いますが、万が一、故障したり無くしてしまった場合は製品自体が使えなくなります。その点は注意が必要ですね。
本体重量
本体の重量は実測で304gでした。スペックを考えれば小型ですが、この状態で持ち運ぶと重量感はあります。
本体+電源コード重量
本体と電源コードを合わせた重量は426gでした。旅行などに持ち運ぶ際、負担にならない重さです。
ゲーミングノートPCを充電してみた
家にある下記のゲーミングノートPCを充電してみました。
- ASUS製 TUF Dash FX517ZC(core i5-12450H、RTX3050 Laptop)
- Lenovo製 IdeaPad Gaming 370(Ryzen 5 7535HS、RTX2050 Laptop)
共にエントリー向けのゲーミングノートPCですが、それでもUSB PD充電の場合は100W以上の充電性能を求められます。
ASUS製 TUF Dash FX517ZC の充電
ASUS製 TUF Dash FX517ZC(core i5-12450H、RTX3050 Laptop)のバッテリーを0%から充電したところ、きっちり100%まで充電することが可能でした。充電開始直後は19.64V、4.24A、83Wで充電しており、Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W)の性能から言えば余裕ですね。
Lenovo製 IdeaPad Gaming 370 の充電
Lenovo製 IdeaPad Gaming 370(Ryzen 5 7535HS、RTX2050 Laptop)も問題なく充電ができました。こちらはバッテリー残量が50%くらいだったこともあり、他にスマホ2台とタブレット1台も同時に接続しましたが、どれも正常に充電できました。
ゲーミングノートPC充電の注意点
ゲーミングノートPCを充電しながら操作する場合、電源アダプターを使用した方が無難です。PCに高負荷をかける場合(ゲームや動画編集など)は特に。と言うのも、電源アダプターを接続しないと最大パフォーマンスを出せないPCが多いんですよね。
実際、今回使用した「ASUS製 TUF Dash FX517ZC(core i5-12450H、RTX3050 Laptop)」の電源アダプターは180W品ですし、「Lenovo製 IdeaPad Gaming 370(Ryzen 5 7535HS、RTX2050 Laptop)」の電源アダプターは130W品です。これらのPCが求めるUSB-C(PD)充電器は100Wですから、電源アダプターの方が強力なのです。
よって、ゲーミングノートPCの性能をフルに使いたい場合は、電源アダプターでの使用をおススメいたします。まぁ、この話は Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W)とは関係ないんですけどね。
持ち運びに便利なアイテム
Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W)は十分な性能を持っていますが、これを持ち運ぶとなればいささか面倒です。ラフに扱えば本体に傷が付きそうですし、電源コードが専用品のため、他のケーブルとごちゃ混ぜにして行方不明にしたくありませんからね。
そんな時に便利な収納アイテムを買いましたので、ご紹介したいと思います。
Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W) モバイルバッテリー 保護対応収納ケース
これは Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W) 専用の収納ケースです。サードバーティー製ですが、作りはしっかりしているので本体をしっかりと保護してくれます。本体・電源コード一式をまとめて収納できるので、持ち運びが格段に楽になりますね。サイズは約190 x 105 x 50mmです。
専用保護ケース外観
収納物一式
ちなみに、私はこの保護ケースに以下のものを収納しています。
- 本体
- 電源コード
- USB-C to Cケーブル(50cm)×2本
- USB-A to Cケーブル(50cm)×2本
まさに「フル装備」であり、この状態で旅行バッグに詰め込めば旅先で充電に困ることはありません。「こんな小さなケースに全て入るの?」と思うかもしれませんが、本当に入るんです。
すべて収納
余裕はないが・・・
閉じるのに成功!
余裕はありませんが、何とかすべて収まります。強引に入れたように見えるかもしれませんが、意外にチャックはすんなり閉まります。ポイントとしては、
- 本体は裏側にする
- ポケットには、電源コードとUSB-A to Cケーブル(×2本)を収納する
- 電源コードはしっかり束ねる
ことです。本体を裏面にする理由は、ケース内に詰め込んだ電源プラグが本体を傷つける可能性があるからです。裏面ならともかく、表面に傷がついたら嫌ですからね。また、最も嵩張るのが電源コードですのでしっかり束ねておく必要があります。
ちなみに、この USB-A to Cケーブルは線径が細いタイプながら、5V/3Aに対応しています。Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W)の USB-Aポートは5V/2.4A=12Wですので、スペック上問題なし。中華製ゆえに安価であり、安く済ませたい人にはおススメです。データ転送にも対応していますが最大速度は480Mbpsと速くはありませんので、データ転送に使う人は違うケーブルの方がいいでしょう。
まとめ
この記事では「Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W) 」を詳しくレビューしました。
簡単に言えば「USB充電器+電源タップ」という製品なのですが、やはり魅力は最大140Wの高出力である点と、そのコンパクトさだと思います。それゆえ、旅先にはピッタリで「これさえあれば十分」と言ってよいほど便利です。
唯一のデメリットとしては「価格が高め」であることですかね。セール時には値引くことが多いので、そういった機会を狙うことをおススメします。
また、上位機種として最大出力240Wの「Anker Prime Charging Station (8-in-1, 240W)」という製品が存在するのですが、若干味付けが異なります。こちらは USB-C ポートが合計4個あってさらに便利になっているものの、本体内に電源を内臓しておらずアダプターを使用するタイプとなっています。そのアダプターが結構巨大で、持ち運ぶには不便です。据え置き機として使うなら良いと思いますが、旅行などで持ち運ぶことを前提とするなら「Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W) 」方に軍配が上がるでしょう。