落合博満は現役時代、打席で配球を読まなかったって本当!?

プロ野球
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落合は打席での読みが鋭い

NPB史上最高の右打者と言われることもある落合博満

そんな落合さんが現役時代、当時の評論家やテレビ解説者が口を揃えて言っていたことがあります。

落合は打席での読みが鋭いですね~

落合さんの現役時代を知っている方は、同じような印象を持っていると思いますし、それは私も同じです。

 

インサイドを徹底的に攻められ、最後にかわそうとした変化球を簡単にライトへ弾き返す。

変化球主体で攻められ、最後に裏をかこうとした内角ストレートをあっさりレフトスタンドへ放り込む。

こういった姿を見せつけられると『読みが鋭い』と言わざるを得ません。

 

落合さん以外にも『読みが鋭い』と言われた選手はいましたが、その中でも落合さんは別格。

ボールとバットに磁石がついていてるんじゃないか?と思わせるほどです。

今回の記事は、落合博満という選手が現役時代に見せた非凡な『打席での読み』についてお話します。

 

落合博満という選手

野球ファンならほとんどの人が知っていると思われる落合博満。

簡単に現役時代の成績を振り返ります。

落合博満(ロッテ→中日→巨人→日ハム)

2236試合、2371安打、510本塁打、1564打点。

通算打率.311、通算OPS .987

首位打者5回、本塁打王5回、打点王5回

NPB史上唯一、3度の三冠王を達成。

< 三冠王時の成績 >

1982年 .325、32本、99打点

1985年 .367、52本、146打点

1986年 .360、50本、116打点

凄まじい成績ですね。特に3度の三冠王はNPB史上落合さんだけですし(2018年現在)、三冠王時の成績など圧巻です。

面白い記録としては、節目の通算記録を本塁打で決めていることです。

プロ野球選手にとって2000本安打などが節目の通算記録ですが、落合さんは通算500本安打、1000本安打、1500本安打、2000本安打を全て本塁打で決めています

それどころか通算1000試合、2000試合にも本塁打を放っており、かなり珍しい記録だと思います。

 

落合は打席で配球を読まなかった

落合さんが現役時代にみせた『配球の読み』の秘訣は何だったのでしょうか?

その答えは落合さんの著書・野球人に書いてあります。

私のバッティングについて意見を求められた時、評論家の方々が「落合は打席の中での読みが鋭い」と解説しているのをよく目にした。この「読み」とは一体、何であろう?いわゆる「ヤマ」を張ることだろうか。しかし、次にどんな球が投げられるかは、球種に限っていえば投げようとする投手とサインを出した捕手しかしらないものであり、コースまで限定すれば、本当にその球が投げられるかどうかは投手にだってわからないはずだ。そんな宝くじにも似たような駆け引きに自分の野球人生をかけられるほど、私には自信も余裕もなかった。

<引用>

書籍名『野球人』、著者・落合博満、出版社・株式会社ベースボール・マガジン社

『読みが鋭い』と思われていた現役時代の落合さんは、実は打席で配球を読んでいなかったのです。

とは言っても、まだ信じられない人もいるかと思います。これだけでは、落合さんが現役時代に見せていてバッティングは何だった?という話になりますからね。

 

配球を読んでいたかのような打撃が出来た理由

『打席で配球を読んでいなかった』と言う落合博満。

では、なぜ配球を読むことを放棄したのでしょうか?

そして、なぜ落合さんは配球を読んでいたかのようなバッティングが出来たのでしょうか?

野球のセオリーに従えば、宝くじに当たるような確率は、丁か半か二者択一くらいにまで高められるのかもしれない。ただし、この丁半を2回に1回当てることができる才能があったとして、思い通りのボールを確実にヒットできる力が6割以上なければ、3割という打率は残せない。

私は、そうした努力をする時間があれば、すべてバットを振るために割いてきた。このコースへこんな球種のボールが来たら、こう打てばいいということを徹底的に自分の身体に教え込んできたのだ。だから、9000打席以上投手と向かい合ってきた中で、次は間違いなくこのボールが来ると思ったことは一度もない。もしそんなことをしていたなら、幾度となく頭部を襲ってきたボールに当たって、私の野球人生はとっくに終っていたはずだ。

<引用>

書籍名『野球人』、著者・落合博満、出版社・株式会社ベースボール・マガジン社

落合さんらしい合理的な考え方ですね。配球を読み当てることができたとしても、結局は高い打撃力が求められるわけですから、その打撃力を高めることを優先したのです。

そして、投手ですらボールの行き先が分からないのに、投手を信じ球種やコースを読んだせいで頭にぶつけられるリスクを避けるメリットもある。

だからこそ、落合さんは配球を読まなかったのです。

 

シンプルな練習法。しかしその練習量は想像を絶する!

先ほど紹介した内容で、この部分は見逃せないポイントです。

このコースへこんな球種のボールが来たら、こう打てばいいということを徹底的に自分の身体に教え込んできたのだ。

<引用>

書籍名『野球人』、著者・落合博満、出版社・株式会社ベースボール・マガジン社

野球をやっていた人なら、この考え方の恐ろしさが分かると思います。

そして非常にシンプルな考えである一方、ほとんど人は思いつかない練習ではないでしょうか。

 

アマチュア野球の練習方法

アマチュア野球におけるバッティング練習では、多くの選手は『バットの芯で捉えること』『強い打球を打つこと』に尽力します。

当然ど真ん中ばかり打っても練習になりませんので、試合で投げ込まれるコースをイメージしながら練習します。

それは変化球も同じです。

 

カーブ打ちの練習では、右打者なら右投手の投げる外角低めに流れるカーブをイメージして練習します。

同様に左打者なら、右投手が投げる内角低めに食い込んでくるカーブをイメージして練習します。

こうやって限られた時間の中で、一番難しいボールへの対応を覚えることは決して悪いことではありません。

アマチュアの場合、プロと違って朝から晩まで野球をやっているわけではありませんからね。

 

落合の練習方法

落合さんがやっていた練習とは、ある球種に対し特定のコースだけを打つのではなく、様々なコースを打つことです。

カーブなら外角低めだけでなく、内角高めや、真ん中低めなど。

当然プロの投手を相手にしますから、対応しなくてはならない球種も多く、スライダーやシュート、フォークなども練習したでしょう。

 

しかも『徹底的に自分の身体に教え込んできた』とは、様々な球種とコースに対し、自然に体が反応するまで打ちこむ必要があります。

それだけで想像を絶する練習量になることは間違いありません。

 

落合の考えはいつもシンプル

落合さんが現役時代、打席で配球を読まず打てていた理由は、ある球種が色々なコースに投げ込まれても打ち返せるように練習したからです。

そして、体の使い方など頭で理解するだけでなく、体が自然に反応するようになるまで練習していたのです。

これが落合博満という謎めいた打者の秘密だったのです。

 

落合さんはこれに代表されるように、非常に考えがシンプルです。

昔、フォークボールをはじめとする落ちるボールが流行りだしたとき、各チームがキャンプで上から落としたボールを打つ練習をしていました。

それを見た現役時代の落合さんが、こんなことを言っていました。

試合で上からボールが落ちてくる?こないでしょ。試合でありもしないボールを打つ練習なんて無駄。

たしかにその通りですね。

 

最後に、今回引用させてもらった落合さんの著書『野球人』の最後に、自分がもし監督なったらこんな采配をするだろう、という内容が書かれています。

実際に監督になり、そのほとんどがそのまま実行されています。

この『野球人』を書かれたのが、落合さんが現役引退してすぐですから、この頃からすでに基本的な考え方がまとまっていたんですね。

落合博満について理解していない人は『天才』と一言で片付けますが、彼ほど努力した人はほとんどいないと思いますし、野球に賭ける凄まじい執念を持っていた人なのです。