先入観を持たないようにする
初めてFX取引をやる場合、多くの人が何かしらの練習をすると思います。
いきなり大金を相場に預けることなんて出来ませんしね。
多くの人はデモトレードで練習すると思うのですが、私もその一人です。
私はデモで練習する以前から、スワップ目的でFX取引の経験があったので、最低限の知識(取引方法や証拠金の計算など)はありました。
しかし、デイトレードとなると、何を基準に買ったり、売ったりすれば良いのか全く分からない状態でした。
デモトレードを始める前に、以下のようなルールを決めました。
① デモトレード期間は最低3ヶ月は実行する。
② デモトレード終了時期は3ヶ月連続でプラスが条件。
③ ネットなどで他人の手法やテクニカル等を調べたりしない。
たぶん、①②の期間はともかく、同じように条件として取り入れる人は多いんじゃないかと思います。
③は稀じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか?
普通は、ある程度知識を得るために、何かを参考にする人が多いんじゃないですかね。
これは、理科の実験をイメージして頂けると分かり易いかと思います。
(1)授業で知識として結果をインプットさせ、その結果通りになることを実験で確認する。
(2)とりあえず実験し結果を出し、なぜそのような結果に至ったのかを考察する。
私はトレードに関して、(2)を選びました。
これは単純に、知識を得ることで、眺めるチャートに先入観を持たせたくなかったんです。
何となく、隔たった見方をしてしまうんじゃないかと思ったので。
技術に関する『森と木』
技術を得ようとするとき、必ず『得る目的』があります。
そして、技術を習得しようと練習に没頭すると、たまに目的を忘れた状態に陥ることがあると感じます。
私がエンジニア時代にも同じ経験をしました。
商品を作るには色々な制約がありまして、代表的なのは、安全性やコスト、納期ですね。
その限られた制約の中で、安全性を担保し、商品に要求されるスペックを満たさなくてはいけません。
でも、安全性、仕様、コスト、納期を満たした商品が『売れる商品』になるとは限りません。
売れる商品にするには、買ってくれるお客さんに満足を与えなければなりません。
ですので、お客さんの立場(使用者)の立場にたって、設計する必要があるのです。
しかし、コストや納期がタイトであると、どうしても作り手目線になりがちになるんですよね。
そして、厳しいコスト制限や納期を守ることに、意義を感じてしまうようになってしまいます。
設計上の制約を守ることが、優れたエンジニアではないんです。
優れたエンジニアとは、お客さんを満足させるアイデアと野望があり、全ての制約事項を守る人物、だと思っています。
技術における森=技術を得る目的、木=習得するのに必要な訓練、とすると、森は常に意識しなければいけません。
デモトレードと相場観
私は、トレードの技術における森=相場観、木=手法やテクニカル、と考えました。
だからこそ、私はデモトレードで『自分は相場から何を感じるのか?』をテーマにしました。
そのためには余計な先入観は、私にとっては邪魔だったのです。
デモトレードを開始する前から、『チャートを何日も見ても、何も感じないようだったらFXをやめよう』と決めていました。
まぁ、何も感じないようであれば、勝ったとしてもマグレだと思い自信はつきませんし、いずれボコボコにされるでしょうからね。
デモトレードを開始して、最初は何を根拠にして取引をすればよいのかイメージできませんでしたが、何日か見続けているうちに、何となく感じるものはありました。
あまり値動きが無かったのに、いつもこの時間帯になると動くなぁ
夕方に近づくと値動きが激しくなるなぁ
毎回このプライスに戻るなぁ
など、素人でも感じることはありました。
後で知識を得ると、納得し易かったです。
以後、デモからリアルトレードに移るわけですが、今でも相場観を重要視し続けています。
何を根拠にトレードするかは人それぞれですが、私はFXにおいて『相場が向かいたい方向が見えないとき』は、怖くて何も出来ません。
逆に言えば、『相場が向かいたい方向が見えるとき』だけやれば、勝ち易くなるんじゃないかなぁ、と思っています。
バックテストではなくフォワードテストを重視する
私はトレードの練習としてバックテストは重視しません。
理由は、過去のエントリーポイントにはプライスアクションが無いからです。
私の手法の問題かもしれませんが、過去のポイントにおける相場の強弱が読めないんです。
さらに、そのエントリーポイントを想定しても、ポジションを持っているときの感情はイメージできません。
実際の取引では、エントリーしてから決済するまで、感情のコントロールも必要です。
必ず利益確定ポイントまで我慢できるのか?
損切りポイントで必ず損切り出来るか?
など。
実際はスプレッドが広がる荒れた場面や、約定できないポイントも存在しますが、過去のチャートには表示されませんしね。
ですので、私はフォワードテストを重視してきました。
だからこそ、少額でもリアルトレードで練習するのが一番良いと思っています。
ポジションを持ったときに自分の感情がどうなって、予定していた行動がとれるのかどうかを検証しなくては、実戦では何も出来ないことを思い知らされるだけです。