FXでチャートを監視しながらトレードする際、どうしても所用で席を外さなくはいけない場面があります。
食事やトイレ、突然の来客、郵便物の受け取り・・・などなど色々ありますね。
これらがエントリーを伺う場面であれば、
機会損失
となることもあるでしょう。
機会損失とは・・・
意思決定をしないことによって、本来ならば得られるはずの利益を得られなかったことによる損失のこと
今回は、この機会損失についてお話したいと思います。
この記事の目次
私の機会損失例
2018年6月19日。
この日のドル円相場は、朝から下落しました。
アメリカと中国の間で、報復関税合戦が激化したことがリスクオフを招いたようです。
ちょうど9時頃に110円を割りそうなレベル(110.03円)まで下がってきたので、私はそこを下抜けるタイミングで利益を取れると感じていました。
チャートから感じたプライスアクションと下落動意の強さから、エントリーを決意。
しばらくエントリーチャンスを伺っていました。
ここで一つ問題が・・・
午前中に済ませておきたい買い物があったんです。
しかし、目の前にチャンスがある訳ですから、そう簡単に見逃す訳にはいきません。
緩慢な動きになったドル円チャートを眺めて、我慢と葛藤が続きました。
時間ばかり過ぎるのも嫌なので、私は
10時までエントリーするチャンスが来なかったら外出する
と決断しました。
結局、10時までエントリーチャンスはなく、私は外出することにしました。
12時前に帰ってきましたが、すでにドル円は110円を割っており、後からチャートを見てみると、スキャルピングで利益を取れた動きでした。
私の外出中、11時くらいにブレイクしており、見事な機会損失でした。
トレードを諦める理由を明確にしよう
エントリーチャンスを逃せば、誰でも悔しいです。
だからこそ、トレードを諦める理由を明確にすべきです。
自分さえ納得できればそれでいいんです。
今回のケースで、私が外出することを決めた理由は以下の通りです。
・最初の動意から1時間経過しており、次の動意がくる可能性が低くなった
・エントリーを狙ってから1時間は監視し、それなりの努力はした
・仮に外出中にブレイクしたら、潔く受け入れる
別に他人を納得させる必要なんてありません。
誰かに迷惑をかける訳じゃありませんからね。
自分が納得し、機会損失を冷静に受け止められる状況を作れれば良いのです。
これでも納得できないなら、自分にウソをついている訳ですから、優先順位を変えてトレードに専念すべきでしょう。
トレードスタイルによって変わる対応策
スキャルピングは機会損失が多くなって当然
私の場合、スキャルピングをメインにトレードしています。
スキャルピングって他の手法に比べて、エントリータイミングがタイトになってしまうんですよね。
スキャルピングは利益幅が狭いので、エントリーポイントは重要なんです。
エントリーポイントが少しずれるだけで得られる利益が減少してしまうだけでなく、
勝敗そのものも変わることさえあります。
スキャルピングは、このような性質がある以上、機会損失が多くなることは当然なんです。
スキャルピングをやる以上は、この事実を理解し、付き合っていかなくてはいけません。
過ぎ去った機会損失を悔しがるくらいなら、次のトレードに備える方が得策です。
必要以上に機会損失を悔しがり、それを引きずってプラスになることは全くありませんしね。
スキャルピングは、求める利益幅が狭いので、次の動意で入ることも出来ます。
次のチャンスがすぐに来ることも多い。
ですので、起きてしまった機会損失をぐじぐじ悔しがっている暇があったら、次のトレードチャンスをものにできるように努力すべきです。
スイングトレードの機会損失は痛恨。しかし対処は簡単!
スキャルピングと対極にある手法がスイングトレードです。
人によって違うと思いますが、一般的にスイングトレードはポジション保有時間が数日~数週間、数ヶ月であるトレード手法です。
当然、エントリーチャンスは少なく、一回のトレードで大きな利幅を狙います。
すなわち、スイングトレードの機会損失は痛恨と言ってよいほど、ダメージが大きいでしょう。
しかし、対処は簡単です。
指値や逆指値を入れていれば良いのです。
具体的にはIFO(アイ・エフ・オー)を入れるだけです。
IFO(アイ・エフ・オー)とは・・・
IFDとOCOを組み合わせた注文方法。
IFD(アイ・エフ・ディー)とは、「If done」のことで、新規の注文と決済を同時に発注することが出来る注文方法。
OCO(オー・シー・オー)とは、「One Cancels the Other」のことで、一つの注文を出しておき、一つが約定した場合にもう一つを自動的にキャンセルする注文方法。
IFD=IFO+OCOであり、売買注文と決済注文(利益確定、損切り注文を同時に)を同時に発注できる注文方法のことを言う。
スイングトレードにおけるエントリータイミングは、スキャルピングほどタイトではありません。
エントリポイントが数pipsずれても、大きな利幅を狙っている訳ですから、大した損失にならないんです。
だからこそ、手動で発注できない状況が発生したらIFDを出しておけば良いのです。
デイトレードはスキャル寄りかスイング寄りかで判断を
デイトレードも人それぞれやり方があると思います。
でも、基本的な考え方はスキャルピング、あるいはスイングトレードと同じで良いと思います。
機械的に、このポイントに来たらエントリー、利食い○○pips、損切り××pipsと決めてありる場合ならスイングトレード同様、機会損失はIFDで回避できます。
それに対し、エントリーや決済に関し、ある程度裁量を取り入れている場合はIFDで対応することは難しいでしょう。
ですので、スキャルピング同様、ある程度切り捨てて考えなくはいけませんね。
機会損失と実力不足を混同しないように!
例えば、チャートを監視していて
何だか上がりそうだなぁ~
と漠然と感じたとします。
そうこうしているうちに、みるみる上昇し、
やっぱりロングするべきだった・・・
と後悔する。。。
でも、これは機会損失じゃありません!
機会=チャンスは目の前にあったんです。
でも、明確なエントリー根拠が無かったからエントリーしなかったんでしょ?
だったら、それはエントリーすべき場面ではなかったか、エントリー根拠を見出せなかった実力不足のどちらかなんです。
これを機会損失だと言っても結果論に過ぎません。
専業でなければ機会損失は気にしなくても良い
FXで生計を立てている人、すなわち専業の方は可能な限り、機会損失を減らさなくてはいけません。
収入が減ってしまう訳ですからね。
しかし、定職がある兼業の方や、主婦・主夫の方などは前のめりにになってトレードする必要などありません。
出来るだけ安全に、利益を取れると自信があるときだけトレードすれば良いのです。
実際に損をした訳でもない機会損失を悔しがるあまり、その後強欲なトレードをやってしまい、実際に損失を出してしまえばバカらしいですよね?
そんなことでは、いずれメンタルもボロボロにされてしまうでしょう。
それが一番怖いんです。
メンタルがボロボロになった状態では、次のチャンスを見逃すだけでなく、これまで築いてきたトレードに対する自信や利益を吹き飛ばすことだってあるんです。
それを予防するには、ある程度の機会損失はあるものだと割り切って、付き合っていく方が賢明だと思いますよ。