FXレバレッジ規制は2018年から?25倍→10倍へ引き下げ検討

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レバレッジが25倍から10倍へ

先月末、日経新聞が報じたFXのレバレッジ規制についてです。

 

記事によると、以下のことが書かれています。

・金融庁がFX取引のレバレッジの上限を引き下げることを検討している。

・新たな上限は現行の25倍から10倍とする案が有力。

・為替相場が急変動した際、個人投資家や金融機関が想定を超える損失を抱えるリスクが高まっていると判断。

・規制見直しで日本発の市場混乱を防ぐ。

・早ければ2018年にも内閣府令を改正。

 

レバレッジ規制と言えば、法人口座は今年のはじめから規制が入っています。

そもそも、私がFXをはじめた10年くらい前は個人口座でも100倍は当たり前だったんですけどね。

レバレッジ規制の目的は『FXトレーダーを為替相場の急変動から守る』『市場混乱を防ぐ』と日経の記事に書いてありますが、本当でしょうかね?

FXトレーダーを守るなら『適切なロスカットを執行するよう義務付ける』方が効果が高いと思いますが

 

FXレバレッジ規制の歴史

ここで個人口座におけるFXレバレッジ規制の歴史を振り返りたいと思います。

 

1998年 外為法改正により外国為替証拠金取引(FX)が解禁。

 

趣旨とは関係ありませんが、FXとはForeign Exchangeの略です。

『Foreign Exchange』とは『外国為替』という意味ですので、正確にはFX=外国為替証拠金取引ではありません。

つまり、外貨預金も『Foreign Exchange』な訳です。

 

では、なぜFX=外国為替証拠金取引と認知されたかと言うと、国内で初めて個人投資家向けに外国為替取引のサービスを始めたひまわり証券が、サービス名を『マージンFX』と名づけたためです。

その後、他社もFXという名称を使用したことでFX=外国為替証拠金取引、というイメージが定着しました。

この頃はレバレッジ規制はありません。100倍~400倍が一般的だったと思います。

 

2010年 金融庁がレバレッジを最大50倍に規制
2011年 金融庁がレバレッジを最大25倍に規制

 

このとき、レバレッジ規制に関して金融庁は以下のような見解を述べていました。

1.顧客保護
ロスカットルールが十分に機能せず、顧客が不測の損害を被るおそれ

2.業者のリスク管理
顧客の損失が証拠金を上回ることにより、業者の財務の健全性に影響が出るおそれ

3.過当投機

 

規制強化され25倍まで下がったレバレッジに不満がある人は、海外のFX業者を利用するようになります。

国によって違いますが100倍以上は当たり前ですから。

そして2017年現在はレバレッジは最大25倍が維持されています。

 

不測の損害とは

顧客(トレーダー)が最も恐れることは、相場の急変時に陥る可能性がある『不測の損害』です。

相場の急変時には、指定した損切りが執行されないだけでなく、強制ロスカットすら滑ることがあります。

これは、インターバンク市場で流動性が極端に低下するために起こります。

 

FX業者からすると、流動性が無い市場ではカバーディールができません。

このために、顧客にとって不利なレートでロスカットを執行せざるを得ないわけです。

言い換えれば、相場の急変リスクはFX業者は負わず、顧客が負う仕組みになっています

 

そして、強制ロスカットさえ滑ったレートでは、顧客の証拠金不足が発生し、いわゆる未収金(追証)が発生する可能性があります。

つまり、FX業者に預けている証拠金では足りないので『借金』が発生する可能性があるのです。

実際、2015年1月に起きた、スイスフランショックでは日本全体で約34億円もの未収金が発生しています。

 

通常の状態では、証拠金が間もなく足らなくなるという警告が発せられた後、追証が発生する前に強制的にポジションが決済されます。

しかし、このシステムはどんな状況でも完全に機能するわけではないのです。

 

日本のFX業者がゼロカットを導入できない事情

実は海外FX業者には、未収金(追証)が発生しないシステムを採用しているところもあります。

万が一、未収金(追証)が発生する事態になっても、顧客の損失は口座の金額がゼロになるところで止まります。

 

これを『ゼロカット』と言います。

 

相場の急変リスクを顧客ではなく、FX業者が追う訳ですね。

実際、スイスフランショックのときには、イギリスの大手FX業者は破綻しています。

FXトレーダーにはありがたいゼロカットですが、残念ながらゼロカットを採用している日本のFX業者は一社もありません。

 

これには、事情があります。

 

日本の金融取引では、業者が顧客(トレーダー)の借金の肩代わりをするのを法律で禁じているのです。

ゼロカットも実質的な損失補てんとなるため、現実には導入できないのです。

 

規制強化するとどうなる?

これまでのレバレッジ規制のときもそうだったのですが、規制強化するとFX取引高は間違いなく下がるでしょう。

外為どっとコム総研の調査では、レバレッジ10倍以上の投資家は47.9%になるそうです。

 

そうなると投資家のとる行動は、以下のどれかになるでしょう。

① 証拠金を増す

→資金効率の悪化

② 法人口座に乗り換える

→小口投資家にはメリットが少ない(というかデメリットの方が大きい)

③ 海外FX業者に乗り換える

→サポート、信託保全の心配が残る

④ 他の金融商品に移る(株、ビットコインなど)

→一番手軽か?

⑤ 証拠金を増やせないので、ロットを減らす。

→資金効率の悪化

 

ほぼ、デメリットだらけですね。

 

それに対し『FXトレーダーを為替相場の急変動から守る』ことに関しては、疑問が残ります。

なぜなら、証拠金を目一杯使えば、最大レバレッジに関係なく強制ロスカットされやすいからです。さらに、未収金の恐れもあります。

ここ20年でも、アジア通貨危機リーマンショックスイス中銀ショックといった大変動がありました。

チャイナショック、ブレグジット、米国大統領選といったものも含めればキリがないです。

今回の規制案が仮に実施に移されたとしても、次の大変動で逃げられない個人投資家が出て来ることは間違いありません。

 

結局、投資家を守る!なんて表面的な理由であり、実際は行き過ぎた為替相場を作り出す邪魔者(トレーダー)を減らし、株式市場に流れを促しているだけかもしれません。

特にスキャルピングには辛いですね。

スキャルピングはレバレッジをかけて少ないpipsで利益を積み上げる方法なので、資金効率は相当悪化するでしょう。

証拠金を増やせば解消しますが、いくら信託保全と言っても大きなお金を必要以上に預けるのは怖いですし・・・

まだ規制強化が正式決定した訳ではありませんので、見守るしか出来ませんが、我々トレーダーは決められたルールの中でしか取引できませんから、どうすることもできませんね。