この記事の目次
レバレッジとは?
FXでは、証拠金として預けた資金の何倍もの金額の外国為替取引が可能です。
これはレバレッジと呼ばれ、FX最大の特徴になっています。
FXは外貨預金と違ってこのレバレッジの存在により、勝てる人は投資効率が良くなる反面、勝てない人は資金を減らすスピードが速くなるという特徴を持っています。
ちなみにFXとは『Foreign Exchange』の略です。
直訳すれば外国為替となり、本来はレバレッジをかけることができない外貨預金も『Foreign Exchange』に含まれます。
しかし実際は『FX=外国為替証拠金取引』と使われるのが一般的で、外貨預金と異なる金融取引として扱われます。
レバレッジは何倍までかけることが可能か?
2018年現在、個人口座でかけられるレバレッジは最大25倍と金融庁が定めています。
昔はもっと高いレバレッジが可能で、私がFXをはじめたころは個人口座でも100倍は当たり前だったんですけどね。
レバレッジの歴史を簡単に記します。
1998年 外国為替証拠金取引(FX)が解禁。(レバレッジ100倍~400倍)
2010年 金融庁がレバレッジを最大50倍に規制
2011年 金融庁がレバレッジを最大25倍に規制
レバレッジとトレードリスクの関係
レバレッジはその性格上、以下のように説明されることがあります。
- レバレッジが高い = リスクが高い
- レバレッジが低い = リスクが低い
もうちょっと掘り下げて考えます。
ここでいうリスクを資金減少と定義するなら、リスクはレバレッジだけでなく損切り幅も影響します。
レバレッジが高くても損切り幅が狭ければ、資金減少は減りますし、レバレッジが低くても損切り幅が広ければ、資金減少は増えてしまいますからね。
損切り幅は手法によって違いますから、手法に適切なレバレッジのかけ方も変わります。
スキャルピングの場合、トレード1回あたりに獲得するpipsは少ないので、利大損小を目指すなら、損切り幅はさらに狭くする必要があります。
損切り幅が狭ければ、その分リスクは低くなり、レバレッジを上げてリスクを増やす余地が生まれます。
スイングトレードの場合、トレード1回あたりに獲得するpipsは大きくなりますが、損切り幅は大きくなる傾向があります。小さなノイズに狩られたくありませんからね。
損切り幅が大きければ、その分リスクは高くなり、レバレッジを上げてリスクを増やす余地は生まれません。
以下に、手法が異なるとレバレッジや損切り幅が変化する具体例を記します。
例)100万円を異なる手法で運用する
※ 計算し易いように1ドル=100円とします。
< スキャルピング >
10ロットでトレードする場合、10×1万通貨×100円=1,000万円の取引量。
口座資金が100万円なのでレバレッジは10倍。
損切り幅を5pipsとすると、損切り時の損失は5,000円。
< スイングトレード >
1ロットでトレードする場合、1×1万通貨×100円=100万円の取引量。
口座資金が100万円なのでレバレッジは1倍。
損切り幅を50pipsだとすると、損切り時の損失は5,000円。
このように、異なるレバレッジでも結果的にトレードのリスクが同じこともあるのです。
トレードのリスクはレバレッジのみで決まるものではなく、損切り幅も影響しますので注意して下さいね。
リスク管理のメインはレバレッジ
レバレッジは資産に対するロットで決まりますから、以下のように表現できます。
トレードが抱えるリスクはレバレッジと損切り幅で決まることは、先程お話したとおりです。
ですので、トレーダーは損切り幅とロット調整によって損失を限定させ、資産を守る必要があります。
しかし損切り幅はリスク管理の観点で一方的に決めることはできません。あくまで手法の一部だからです。
FXで利益を積み重ねるためには『利益幅>損切り幅』でなくてはいけません。
リスク管理の観点から損切り幅を広げることが可能でも、利益幅より広い損切り幅になっては意味がありません。
また、ある利益幅を求めるために、どうしてもある程度の損切り幅が必要になる場合もあります。こんなとき安易に損切り幅を狭めてしまうと、勝率が下がったり、手法の優位性を失うこともありえます。
損切り幅の選定は、リスク管理よりも手法の一部と考えるべきなんです。
ですから必然的にリスク管理は『レバレッジのかけ方=ロット調整』で行うことになります。
適切なレバレッジの考え方
それでは適切なレバレッジに対する考え方についてお話します。
レバレッジのかけ方=ロット調整ですから、適切なロットを求める必要があります。
以下の記事でも説明しましたが、FXはどんな手法を使うトレーダーでも、連勝連敗を繰り返すものです。
連敗が続けば、どんなトレーダーでも不安な気持ちになりますし、メンタルがやられる場合もあります。
こんなとき、資金が減ってロットを下げなくてはいけない状況に陥ってはいけません。
だからこそ、以下のようなレバレッジのかけ方=ロット調整をすべきです。
連敗が続いてメンタルがやれても構わないんです。次の勝負を戦える資産が残っていれば、いずれ相場に立ち向かえますから。
しかし、戦える資産がなくなったときにメンタルがやられたらお終いなんです。
これは同じようで全然違います。
失った資産をロットを下げた後に取り返すには、今までより多くのpipsを獲らなくてはいけません。
これは非常に困難な道であり、心を折られかねません。
ですので、ある程度のドローダウンに耐えられるロットにしなくてはならないのです。
具体的なレバレッジのかけ方
では、どのくらいのドローダウンに耐えられるロットにすべきでしょうか?
私の場合は以下のように決めています。
ちょっと分かり辛いですね(汗)
具体的に説明します。
具体例
- 過去の月間ワースト成績が-200pipsとする
- その2倍=400pipsの損失を出したら、一旦手法を見直し出直す
- 再挑戦した結果、400pipsの損失を出したら、再度手法を見直す
- 再々挑戦し、400pipsの損失を出したら、この手法を諦める
この間、ロットを下げる必要に迫られないロットにする。
< 10ロットの場合 >
※計算し易いように1ドル=100円とします。
- 過去の月間ワースト成績は20万円
- その2倍=40万円の損失を出したら、一旦手法を見直し出直す
- 再挑戦した結果、40万円の損失を出したら、再度手法を見直す
- 再々挑戦し、40万円の損失を出したら、この手法を諦める
この間必要になる資金は、120万円+αとなり、160万円あれば十分です。
10ロットの取引量は1,000万円です。
資産160万円に対し、10ロットのレバレッジは6.25倍になります。
当然ですが、ドローダウンが少ない場合はロットを上げやすいですし、ドローダウンが多い場合はロットを上げづらくなります。
ちなみに、私がメインにしているスキャルピングでは以下のような結果になったら、トレード方法の見直しをすると決め、これを元にレバレッジを決めています。
幸い、このような状況に陥ったことはありませんが、いつ陥るか分かりませんので。
これが私にとって心地よいロットサイズなんです。
最後に
トレーダーによってそれぞれ投下できる資金も違いますし、トレード手法も違いますのでリスクの管理方法も微妙な違いがあって当然です。
でも根本的なことは同じですし、勝っている人はリスク管理ができているものです。
そしてリスク管理には適切なレバレッジのかけ方、すなわちロット調整が必要なのです。
規制強化の流れは終ったわけではなく、今後もさらなる強化が実施される可能性は高いです。
規制強化の流れは以下の記事にまとめてありますので、興味のある方はご覧下さい。