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昔はやっていた指標トレード
為替相場において、重要指標が発表されるときはレートは大きく動くことが多いですね。
このときに発生する、大きなボラティリティに期待してトレードする方法を指標トレードと言います。
私も昔、指標トレードをやっていた時期がありますが、今は一切やっていません。
私が指標トレードを止めた理由は、指標トレードをやっていたときに予想していなかったことが起き、それに対して納得いかなかったからです。
指標トレードトータルではプラス収支だったんですけどね。
この記事では、指標トレード時に起きた出来事についてお話したいと思います。
こんなことも起きるんだ・・・
と知ってもらえば幸いです。
断っておきますが、実際に指標トレードで勝っている人もいるでしょうし、指標トレードを全否定する訳じゃありません。
私がやっていた指標トレードとは?
私が過去に指標トレードをやっていた手法を説明します。くどいようですが、今はやっていませんからね。
重要指標と言っても色々ありますが、やはり注目度の高いアメリカ雇用統計や各国失業率はボラティリティも大きくなりますので、そういった指標を狙っていました。
やり方は至って簡単。
指標前にロングとショートを共にIFO注文で出しておき、約定したら即決済するだけです。
言ってみれば、指標スキャルピングですね。
ただ、普段のスキャルピングと違うのは、『動きに関わらず』決済することです。
雇用統計のような荒れる相場では、動きを確認してる余裕はありませんし、動きも読めるようなものじゃありませんからね。
約定したということは、ある程度は利益方向に動く可能性が高い・・・と言うか、約定レートから綺麗に反転する方が稀、という考えが前提にありました。
ただ、約定後に利益方向の動きが継続するかは不明です。だから、すぐ決済するんです。
こんな感じでやっていた私の指標トレードでしたが、トータルではプラス収支でした。
連戦連勝という訳じゃありませんでしたが、負けるときは少なく、勝つときはそれなりに取れることが多かったですね。
まぁ、たまたまだったと思っていますが(笑)
想定していた指標トレードのリスク
指標時にトレードする訳ですから、普段とは違うリスクを抱え込むことになります。
私も以下のことは理解し、許容していたつもりでした。
- スプレッド拡大
- スリッページの発生
- レートが一瞬で飛ぶ
スプレッド拡大
スプレッドが通常時に0.5pipsでも、重要指標時は5~10pipsは当然のように広がります。業者によっては、もっと拡大するところもあるでしょう。
これは、FX業者のカバーディールが追いつかないため、スプレッドを大きく広げることでリスクを回避するためです。
FX業者が回避したリスクは顧客=我々トレーダーが引き受けることになります。
スリッページの発生
重要指標発表時は注文方法に関わらず、スリッページ(発注レートと実際に約定したレートとの差)が起こり易くなります。
と言うか、ほぼ確実にスリップしますね。
スリッページはほぼ全てトレーダに不利なレートになりますから、大きなリスクとなります。
レートが一瞬で飛ぶ
これは、レートが一瞬で飛んでしまうリスクです。重要指標発表後すぐ、レートが50pipsや100pips飛んでしまう可能性も普段より格段に高くなります。
いくらOCOでマイナス30pipsの損切り注文を入れていても関係なく、大きな損失を出すことになります。
手動で損切りしようとしても、取引ツールが固まってしまうこともありますし、一番怖いパターンじゃないでしょうか?
私を襲った想定外の出来事
とある日の指標トレードで、想定外の出来事を体験しました。そしてこの体験が、私が指標トレードを止める原因になったのです。
いつものようにロングとショートのIFO注文を入れ、重要指標発表時間になったときです。
レートが機敏に動き出しましたが、あまり強い動きではありませんでした。
それでも、ピコピコ動いているうちにロング指値付近までレートが上昇。あと数pipsくらいで指値レート到達でしたが、そこには届かず結局反転しました。
確か指値まで3pips~5pipsくらい余裕があったと記憶しています。
助かった~~
と私は思いました。指値に届いていたら、確実に負けていましたからね。
その後も動きが弱く、
今日の指標トレードはダメだなぁ。今日はもう止めよう
と、指標発表前に出していたIFO注文を取り消そうと思ったら、ショートのIFO注文しかなく、ロングのIFO注文がありません。
??????????
私はその状況が全く理解できませんでしたが、次の瞬間、ロングのIFOが約定していることに気付きました。
えっ!!!指値に届いてないのに????
まだ理解出来ませんでしたが、急いで損切りしたのは言うまでもありません。
重要指標発表前から、ずっとレートとチャートを見ていましたが、ロングの指値までは届いていません。
それでも一瞬タッチしたのかと思い、当日高値をFX業者のHPでチェックしましたが、やっぱり届いてないんです。
おぃおぃ・・・届いていない、架空レートで約定するのかよ・・・
私はやってられない気持ちになりました。そして、その日から一切指標トレードをやらなくなりました。
本来ならば、FX業者のコールセンターに確認を取るべきでしょうが、もう指標トレードをやるつもりもないので連絡はしませんでした。
そもそも、重要指標のような値動きが激しい環境では、何が起こっても不思議じゃないと認識すべきなのか、単にこの業者の問題なのか分かりません。
見方を変えると、約定ポイントがスリップしているだけとも言えます。
指値レートを通過したか、通過しなかったのかの違いだけみたいな。しかし私にとっては、もはやどうでもいいことでした。
結論。指標トレードは割りに合わない!
この出来事で私が気付いたことは以下のことです。
私は長い期間指標トレードをやっていた訳じゃありませんので、それほど理不尽と思えるようなスプレッドや、一瞬でワープするレート、取引ツールが固まる程の相場は体験しませんでした。
でも万が一、それらが起こって大損失を出しても『しょうがないな・・・』と済ませることができるのか?
私の答えはノーでした。この出来事同様、納得できないと思ったんです。
取引Lotを間違えれば、スキャルでコツコツ積み重ねた利益を、一瞬で吹き飛ばすことも十分ありえる訳です。
そんなのはバカらしい。
冒頭に書きましたが、指標トレードを頭から否定している訳じゃありませんし、私がだた勝ち方を知らないだけかもしれません。
ただ、損益に悪影響を及ぼすものは、徹底的に排除すべきだと考える私にとっては『指標トレード』は不要ですし、今後も考えは変わりません。
指標トレードに関わらず、リスクを受け入れられないトレードは絶対やるべきではありません。
私には指標トレードが持つ優位性など、同時に抱えるリスクに比べればちっぽけな存在だと感じたんです。
トータルで見て優位性の無いトレードは、遅かれ早かれトレーダーを苦しめることになります。
どんなトレードでも優位性を具体的に説明できれば、やり続ければいいでしょう。結果は必ずついてきます。
しかし、ただ『勝っているから』という理由でやっているなら、そのトレードで今後も勝ち続けるのは難しいと思いますよ。